ダイコク電機は9月1日から、Web展示会「DAIKOKU DIGITAL EXPO MIRAIGATE 2021」を開始した。展示会は9月14日まで開催され、同時開催されたDK-SISセミナーではMIRAI GATE-SIS統括部の片瀬宏之氏、服部祐治氏、成田晋治氏、片山統揚氏らが講演した。
はじめに片瀬氏は、2020年は売上規模と粗利規模が対前年で27%も下落したことなど、昨年の業界動向を解説したほか、2021年上期の業界規模を推測。「対前年の上期比較では売上・粗利規模は6%アップしているが、例年は上期よりも下期の方が業績が落ちる傾向にあるため、2021年の業界規模は昨年同等かそれ以下に落ちる可能性がある。今年はトレンドの見極めを行い、投資効率の改善をしないと企業存続の危機に陥るだろう」と警鐘を鳴らした。
その他、4円パチンコ、20円スロットの業績推移とパチンコ新規則機とパチスロ6号機業績の実態、シェア別業績変化から見えた業績を効率よく上げるパチンコ・パチスロのシェアバランスを説明。4円パチンコシェアの高い店舗が業績を飛躍的に伸ばしている現状について「台数シェアの変更も視野に入れた戦略立案が必要。4円パチンコより20円パチスロの台数が多い店舗は、このままシェアを変更しないと他店舗に業績差をつけられてしまう可能性が大きい」と指摘した。
さらに、パチスロ6号機で業績を上げるカギとしてノーマルタイプ業績分析結果や、厳しい6号機時代を生き抜くために必要なATタイプ機種選定のポイントを解説。「6号機ノーマルを甘く活用し、5号機ノーマルを辛くするとノーマル全体の業績が低くなるためこの戦略は非効率。5号機ノーマルのコイン粗利が高い店舗は活用の見直しでノーマル全体のアウトが上がる可能性もある」と述べ、ATタイプの選定については「好業績AT機種を3台以上導入することが飛躍のカギ。見極めるポントは初日アウト支持率300%以上、2週目平日初日アウト支持率240%をクリアしていることが条件。アウト支持率で好業績機種を早期に見極め、増台を含めた検討が重要」と話した。
続いて服部氏は、パチンコ業績を飛躍的に向上させる機種管理フロー、常識を覆す1個賞球機の飛躍的業績UP極意を解説。機種管理フローでは遊技機の導入から撤去までに確認すべき5つのポイントを紹介しながら、導入前の事前シミュレーションの必要性や、PPM管理の徹底を伝えた。1個賞球機の活用については、3個賞球機と1個賞球機の比較データをもとに「1個賞球機は平均BYminを下回るとアウトが下落するためBYminが平均を下回らないよう必ず確認する必要がある。平均値はDK-SISの新コンテンツ『入賞S別データ』で確認できるようになったので是非参考にしてほしい」とした。
Web展示会場では、「データ管理」「集客」「働き方」と3つのカテゴリに分類し、同社初のクラウドチェーン店管理システム「ClarisLink」や、整列不要の入場抽選サービス「スマート入場システム」、景品カウンターでファン自身が行うセルフ運用「DKセルフワールド」などを紹介。その中でも、コンセプトに意思決定の統一と共有を掲げた「ClarisLink」は、各チェーン店のデータをクラウドサーバーに集約することで、いつどこからでもデバイスフリーでデータを相互に共有できる。クラウドサーバーには同社のビッグデータもインプットされ、「全国」「チェーン店」「各店舗」それぞれのデータを相互に比較、分析を可能とすることでチェーン店戦略の幅を大きく広げることができる商品として新たなホール運営を提案した。
主催者を代表し、大上誠一郎代表取締役社長はビデオメッセージで「今後のパチンコ業界を見据えた時、『必要に迫られてのやむなき変化』と『自ら選び出す意思ある変化』の2つの変化が訪れる。我々は、厳しい苦境の中でも粘り強く業績向上に努力されているホール企業様の意思ある変化に寄り添い、常に頼られるパートナーであり続けたい。来る新時代にこちらで展示した製品、サービスが皆様のホール運営の効率化と業績向上に少しでもお役に立てることを祈念している」などと述べた。