矢野経済研究所は、パチンコホール経営企業及びパチンコホールに関する独自の調査を行い、2018年12月末におけるパチンコホール経営企業数は前年比241社減の3,003社、パチンコホール数は同比464店舗減の9,794店舗となったと発表した。
パチンコホール経営企業数は過去15年以上にわたって減少傾向が続いており、2013年以降は年間100社以上のペースで減少。2018年の241社減は、5号機への移行が完了した2008年以降で最大の減少幅だという。なお、資本や経営者などで関連する企業をグループ化すると、パチンコホール経営企業は2,297のグループに集約され、企業グループ数では2018年の1年間で163グループが減少した。
パチンコホール数の推移を見ると2012年以降、減少数は毎年大きくなっており、2014年12月末から2018年12月末までの4年間で1,498店舗が減少。同社は企業数や店舗数の減少の理由として、これまで同様「主に1店舗経営などの小規模なパチンコホール経営企業の撤退・倒産」を挙げた。
また、2018年2月に施行された改正遊技機規則により、現在パチンコホールに設置されている遊技機のほぼ全てを2021年1月までに新規則対応機へ入れ替える必要があることから「この入替費用負担に耐えられない企業が出てくる」とし、今後数年はパチンコホール経営企業数、パチンコ店舗数ともに減少が加速するという厳しい見通しを示した。
2018年のパチンコホールの新規出店数は前年比43店舗減の119店舗。同社は「2016年、2017年と2年連続で新規出店数は200店舗を下回ったが、2018年は150店舗を下回る極めて低い水準であった」と指摘。さらに今後の動向についても、新規則対応機入替後の企業業績の見通しが立つまでは新規出店は停滞するとした。
地域別の新規出店数では、2018年は複数のM&Aが成立した愛知県の出店数が増加した一方で、東京都での出店数が伸び悩んでおり、2018年の都道府県別新規出店数では、東京都は6番手まで減少。「ここ数年はM&Aを用いた店舗拡大が特徴的だったが、業況の先行き不透明感から5店舗前後の中堅クラスのパチンコホール経営企業であっても撤退を検討する可能性があり、今後は比較的規模の大きいM&Aが増える」と予測した。
調査は2018年9月~12月に渡り、全国のパチンコホール経営企業及び全国のパチンコホールに直接面談、電話、メールによるヒアリングなどを通じて実施。今年2月にはこの調査結果をもとにした「2019パチンコ経営企業総覧(東日本版)・(西日本版)」を発刊した。