ダイコク電機㈱(栢森秀行代表取締役)は7月8日、都内文京区の東京ドームホテルで「DK-SIS白書2014」の発刊記者会見を開いた。4円パチンコの業績下落などが響き、2014年の業界総粗利は前年比約1,300億円減の約3.5兆円と、厳しい現実を反映した数値となった。
同白書は、同社製のホールコンピューターを通じて得られる全国ホールの営業数値をもとに、2014年のホール営業に関わる各種統計データ(DK-SISデータ)をまとめ書籍化したもの。記者会見では、同社DK-SIS室の山岸義幸室長が白書の要点を解説した。
同氏が挙げた要点は、①業界総粗利がさらに減少も遊技機利益は横這い②4円パチンコの業績下落が続く③20円パチスロの業績が下落・試射試験方法の変更④店舗数の減少、遊技機台数微減、店舗の大型化が顕著⑤消費税が8%に、貸玉料金の引き上げ店舗が増加の5点。何れも業界の不況振りを表すトピックとなっている。
前年比で約1,300億円減の約3.50兆円となった業界総粗利だが、この減少に伴い、遊技機購入費用も前年比約1,300億円減の約1.07兆円となった。遊技機の総販売台数が減少したことに加えて遊技機価格の低減が要因となっている。
稼働面では、パチンコ、パチスロとも前年比で平均アウト数及び台粗利額が微減。パチンコはアウト14,090個、台粗利2,220円。パチスロはアウト6,742枚、台粗利2,460円となった(※パチンコ、パチスロとも全ての貸玉料金で算出)。カテゴリ別でみると、4円パチンコの下落が目立った。
記者会見の冒頭、挨拶した同社の栢森秀行代表取締役は「パチンコ、パチスロとも規制が予定され、今後の状況は不透明。ただし、閉そく感を打破するチャンスでもある。出玉性能の高い機械に偏った市場が形成されており、これがファンの離反を招いた。市場の再構築が行われることは、失われたファンを取り戻すキッカケになるのでは。若者からお年寄りまで気軽に楽しめる原点に沿った遊技環境作りを大切にすべき」と、業況の回復に向けた娯楽性の高まりに期待した。