東京都遊協(阿部恭久理事長)は10月18日、都内中野区の中野サンプラザホールにて平成29年度遊技場経営者研修会を開催。警視庁保安課の担当官による行政講話のほか、井筒和幸監督を講師に招き特別講演が行われた。
研修会の冒頭、挨拶に立った阿部恭久理事長は、全日遊連が進める「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」の配置や、12月1日での新基準に該当しない遊技機の設置比率など業界が抱える課題に対し理解と協力を求めながらも、改正遊技機規則の施行までは現検定機の認定作業に全力を挙げることになると述べ、「調査結果によると5万6,000型式、15万8,000台の希望台数と前回とは比べ物にならない膨大な台数。取引のある販社と早めの打合せを実施し、昼間の時間帯の積極的な活用や場合によっては店休も考慮してほしい」と猶予をもった適切な対応を求めた。
行政講話では警視庁生活安全部保安課風俗営業係の酒井文博係長が業界の現状と課題を指摘。新井係長は、射幸性の抑制や負の側面への的確な対応を要請する中で、「風営適正化法施行規則等の一部が改正され来年2月1日に施行される。規則改正の趣旨をよく理解して頂くとともに、遊技機の認定申請を予定している方は組合の決定事項に従い早めの申請をお願いしたい。申請が遅れ検定の有効期限を経過してしまうと認定できない場合もある。検定の有効期間が経過する概ね1ヶ月前には申請をしていただきたい」と強調し、このほか暴力団排除と犯罪の未然防止も呼び掛けた。
研修会では、映画監督の井筒和幸氏が講演。代表作の「二代目はクリスチャン」、「パッチギ!」などの製作秘話が語られる中で「DVDで映画を見ることは大間違い。巨大なスクリーンで見るほど情報量が多く、その人間の“粗”も見えてくるもの」と持論を述べ、映画とパチンコは日本の文化であり、なければその街は衰退してもおかしくないなどと2つの業界の本質を説いた。最後に、業界へのコメントを求められた井筒監督は「防音ガラスで囲ったパチンココーナーをカジノに設置できないものか。できないのなら横断幕を掲げてデモ活動するのもあり。パチンコは立派な余興なのだから、皆さんもそう思いませんか。日本人はバランスに長けている国民。パチンコ中毒が多いと聞くが、その根源には格差や仕事など解決できない問題があってパチンコそのものではなくそれは社会の問題だ」と歯に衣着せぬお馴染みの井筒節で締めた。