関西遊商は5月21日、大阪市中央区のホテル日航大阪において第64回通常総会を開催。議案審議では、2024年度事業報告をはじめとする全5議案が上程、すべて原案通り承認された他、あわせて代表者研修会や感謝状贈呈式も実施。任期満了に伴う役員改選では小西理事長を再任した。
代表者研修会では、大阪府警察本部生活安全部保安課の後口淳治課長補佐が登壇。車いすの寄贈や清掃活動など日頃の社会貢献活動に謝意を示した上で、大阪府下の犯罪情勢を報告した。現在、大阪関西万博が開催されていることから、「来場者の安全と万博の円滑な運営を確保することは我々の重要な責務である。府民が安心して暮らせる安全な街・大阪を確立するため、犯罪の検挙と防犯の両面の活動を戦略的に展開している」と述べ、SNS型投資詐欺やロマンス詐欺等の特殊詐欺被害が急増傾向だとして、犯罪の抑止へ向けた広報啓発活動に対し協力を呼びかけた。
また、遊技業界に向けては遊技機の不正改造事犯の根絶および流通過程における健全化、ぱちんこへののめり込み・依存防止対策、児童や乳幼児の車内放置事案の防止の3点に言及。車内放置事案について「この事案はぱちんこ業界における大きな課題の一つであり、貴組合が駐車場の巡回活動をしていることも承知している。活動の成果もあり平成30年以降ぱちんこ店の駐車場における車内放置死亡事故は発生していないが、本年も北海道で乳児を車内に放置したとして父母が逮捕される事案が発生している。この根底にはギャンブル等依存問題が潜在しており、ホール営業者に対して注意喚起の働きかけや連携した巡回活動に努めていただきたい」と要請した。

大阪府警察本部生活安全部保安課の後口淳治課長補佐
続いて、同組合の社会貢献活動に対して感謝状の贈呈が行われた。武市佳代区長(大阪市浪速区)、深津友剛常務理事(大阪府共同募金会)、川口広志事業推進一部課長(大阪府赤十字血液センター)から感謝状が贈呈され、武市区長はこれまで41機も寄贈された防犯カメラについて「鮮明な映像が保存できる高性能タイプであり、多くの事件解決に役立っている」と述べ、「浪花公園の清掃活動を実施するなど寄付だけでなく、地域と連携して地域と社会の貢献につながる活動を積極的に進めていただいていることに深く感謝している。今年浪速区は区政100周年を迎え、また大阪関西万博も開催されている。浪速区のさらなる飛躍、発展に向けて取り組んでいくため今後ともご理解とご協力をお願いしたい」と、これまでの社会貢献活動を高く評価した。

感謝状贈呈式
登壇した小西理事長は挨拶の中で、「2024年度はパチンコ遊技機の新台販売台数が約78万5,000台と昨年に引き続き100万台を下回る結果となった。中古遊技機流通についても昨年の45万台からさらに下回り37万7,000台と減少し、厳しい状況となっている。ホールの店舗数も6,000店舗を切ろうとしており、今後も減少が予測されている」と指摘。今夏導入されるLT3.0プラス搭載機に関しては、「この苦境を打開する未来につながる一手」として期待感を示した他、最優先課題であるギャンブル等依存症対策については、業界の取り組みが一定の評価を受けていることから「今後も継続して評価を受けることが社会から必要とされる業界につながり、ホールとメーカーの架け橋である販社の立場を活用した継続的な協力をすることで存在意義を高めていきたい」と業界が進める依存対策への協力を求めた。

小西哲也理事長