業況は大幅悪化しマイナス圏に、パチスロはプラス圏維持、パチンコは低迷続く/パチンコDI調査

シーズリサーチ

シーズリサーチはこのほど、最新の「パチンコ景気動向指数(DI)調査」の結果を公表した。同調査はパチンコ業界の景気動向の判定を目的に経営企業を対象に四半期毎に実施しているもので、今回の調査は2024年12月12日~12月27日にかけてファックス及びWEBアンケートにて実施し、53企業、87地域から回答があった。

報告書によると、過去1ヵ月の収益や売上、粗利などから判断される「全般的業況」は▲12.6ポイント(前回比25.9悪化)と大幅に悪化しマイナスに転じた。3ヵ月後は▲5.7ポイントまで回復する見通し。事業者規模別では「小規模事業者(1~3店舗)」が▲28.6ポイント(前回比81.9悪化)、「中規模事業者(4~10店舗)」が▲11.1ポイント(同11.1悪化)、「大規模事業者(11店舗以上)」が4.8ポイント(同30.2悪化)となり、特に小規模事業者における悪化が著しい。3ヵ月後は中規模事業者はさらに悪化するものの、小規模事業者と大規模事業者では回復する見通しである。

また、今回の調査では地域別の業況が全地域で悪化した。地域順では「近畿」8.3ポイント(前回比8.4悪化)、「関東」▲12.5ポイント(同49.3悪化)、「中国・四国・九州」▲13.0ポイント(同28.0悪化)、「北陸・中部」▲17.6ポイント(同17.6悪化)、「北海道・東北」▲27.3ポイント(同9.1悪化)となった。3ヵ月後は「関東・近畿」以外の地域で回復する見込み。

「稼動状況」は「パチンコ」は▲58.6ポイント(前回比15.9悪化)で、3ヵ月後は▲44.8ポイントまで回復するが、依然として厳しい状況が続く見通し。「パチスロ」は14.9ポイント(同17.1悪化)、3ヵ月後は19.5ポイントとなる見通し。遊技料金別では「4円パチンコ」が▲61.6ポイント(前回比8.9悪化)、「低貸玉パチンコ」は▲19.5ポイント(同2.2悪化)となった。3ヵ月後は前者が▲59.3ポイント、後者が▲11.5ポイントまで回復するものの、依然としてマイナス圏での推移が続く見通し。一方、「20円パチスロ」は18.4ポイント(同9.6悪化)、3ヵ月後は19.5ポイント、「低貸メダルパチスロ」は28.0ポイント(同0.9良化)、3ヵ月後は30.5ポイントと、引き続きプラス圏を維持する見通しとなっている。

「経営上の課題」を事業者の規模別で見ると、「小規模事業者(1~3店舗)」と「中規模事業者(4~10店舗)」では「遊技機販売の縛り」が65%前後で最も高く、2番目に「設備・運営費の増加」(それぞれ50%台)が高かった。大規模事業者(11店舗以上)は「人手不足・人材確保」と「同業者との競争激化」が同率の52.4%で最も高くなった。

また、現状と今後についての自由回答では、「パチンコ・パチスロともに射幸性の高い高単価機が主流となり、来店頻度や滞在時間が今以上に低下することを懸念している。高単価機以外の運用を今一度見直して、長く遊んでいられる機種・コーナー作りは必須と考える」(関東・小規模事業者)、「パチンコ・パチスロのスマート遊技機化に伴い設備投資(ユニット交換)が続いているため、貯蓄にまで資金が回っていない状態が続いており苦しい」(中部・小規模事業者)、「物価高の影響なのか、近隣含め稼働の低下が著しい。今の遊技機は玉単価も射幸性も値段も高すぎて小規模店舗では扱えない」(中部・小規模事業者)、といった回答が挙がっている。

-業界ニュース
-, ,