日遊協人材育成委員会は、12月19日に日本橋三洋グループビルにおいて「第20回 人材育成フォーラム」を開催し、日遊協とMIRAIの会員企業15社から18人が参加した。今回は「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を取り上げ、デライトモア代表取締役の大熊三恵氏を講師にカスハラの基礎知識をはじめ、会社方針の必要性、現場、人事面の対応、ケーススタディなどを学んだ。
大熊氏はまず、2022年2月に厚労省が公表した「カスハラ対策企業マニュアル」を取り上げ、企業の安全配慮義務とカスハラ対応体制整備の必要性について解説。品質改善やより良いサービスの向上を求める“正当なクレーム”と、顧客という立場を利用した著しい迷惑行為の“カスハラ”はまったく別物で、企業として明確な基準を設定することの大切さを伝えた。
今期開催中の女性活躍推進フォーラムで収集されたカスハラの現状をモデルに、ロールプレイングも行われ参加者は実際に役立つ受け答えなどを体感。さらに他業界の先進的取組み例として、JR東日本グループや全日空・日本航空などのカスハラ対処方針なども共有された。
続いて、アンダーツリー人事部副部長の塩飽裕太委員が自社の取組み事例を共有した。同社は2019年6月の労働施策総合推進法等の改正と2020年1月に指針が策定されたことをきっかけに、従業員保護とすべての顧客へ誠実な対応を心がけることの観点から基本方針を策定し、2024年9月に自社ホームページで発表した。
第二部は、参加者が4グループに分かれカスハラをテーマにディスカッションを行った。
閉会の挨拶では羽山雄介副委員長が、「今日ご参加のみなさんを含め私たち委員の側は、指針や制度を作る立場ですが、良い制度を作ったらそれが現場で十分活かされるよう教育やポート体制まで徹底して実行していきたいと改めて思いました。当フォーラムで生まれたつながりを今後もご活用ください」と述べ、フォーラムを締めくくった。