大阪府遊協は6月25日、大阪市内のシェラトン都ホテル大阪にて令和5年度通常総代会を開催。併せて同連合会・防犯協力会・社会貢献事業会の定時総会も開催された。
総代会は組合員数53名中、委任状を含む計52名の出席により成立。来賓として大阪府警察本部生活安全部の小林洋一生活安全部長、平山信幸保安課長、林秀行保安課長補佐が臨席した。来賓祝辞として登壇した小林生活安全部長は、大遊協が取り組む大規模災害の被災地への支援や青色防犯パトロール車両の寄贈、防犯カメラ設置など社会貢献活動に対して謝意を述べるとともに「業界の皆様へのお願いは2点ある。1点目はぱちんこへの、のめり込み・依存防止対策の推進について。大阪はIR整備計画が進むなど特殊な事情もあり、ギャンブル等依存症への社会的関心が非常に高い。ぱちんこ営業はギャンブルとは異なるものだが 貴組合では積極的に取り組みを推進しており、中でも自己申告・家族申告プログラムは組合員全ホールで導入されていると承知している。現在の取り組みを継続し、さらに進化して依存問題を抱える人が適切に対応できる環境づくりを進めていただきたい。2点目はぱちんこ営業における適切な賞品提供について。先般、業界4団体が警察庁の確認を受けた上で、賞品の提供方法に関するガイドラインが策定された。ここでは、ぱちんこ遊技機または回胴式遊技機に係る遊技の結果に応じて提供する共通賞品だけでなく、ぱちんこ遊技機、回胴式遊技機それぞれの遊技の結果に応じて提供する専用賞品を導入することで、賞品の多様化が図れるとされている。その策定趣旨はあくまで賞品の多様化。パチンコ専用賞品とパチスロ専用賞品の市場価格が同一であるにもかかわらず遊技球と遊技メダルの数量に差異を設けて提供するなどの事例があれば、それは風営法第19条の規制に反する違反行為となる。ガイドラインの趣旨に基づいた適切な賞品提供を行っていただくよう努めていただきたい」と述べた。
続いて挨拶に立った平川容志理事長は「新型コロナウイルスも昨年5類に変更され、繁華街や行楽地は訪日客を含め多くの人出で賑わいを取り戻したが、一方で長引く円安や物価高騰など不安定な経済状態も続いている。遊技業界においても遊技機の高騰や改刷対応など課題が山積する中、ホール数の減少傾向は未だ続くなど依然として厳しい状況だ。そんな中、2月には広告宣伝ガイドライン第2版の制定、5月には賞品の提供方法に関するガイドラインが制定されるなど、ホール経営は新たな体制へと移行した。ただし賞品についてはパチンコ専用賞品・パチスロ専用賞品の提供が可能となったが、組合ではガイドライン制定の趣旨を踏まえ、適切な運用に努めていく。次に依存問題の取り組みについて。現在すべての組合員ホールにおいて自己申告・家族申告プログラムを導入するとともにパチンコ・パチスロアドバイザーを全ホールに配置し、対応している。大阪では2030年にIR開業を控えており、都留文科大学の早野慎吾教授による“令和5年度大阪府ギャンブル依存対策のための大阪府ギャンブル実態調査研究“では、大阪在住の1万人のサンプルを回収した結果、遊技客の80%以上が年収600万円以下であるパチンコ・パチスロと、カジノとでは客層が大きく異なることから、大阪IRカジノのギャンブル依存症対策ではカジノに参加する客層に合わせた対策が必要である、との調査結果が出ている。しかし私ども遊技業界としても、依存問題に対しては引き続き真摯に取り組みを進めていく。法令遵守による健全営業を第一義に、ガイドラインの趣旨に沿った適正な営業を徹底して進めていきたい」と決意を述べた。
議事では令和5年度事業報告や令和6年度事業計画、組合定款の一部変更、役員(理事)補充選任の件など計4議案を審議し、いずれも原案通り可決承認した。事業報告によれば、令和6年3月末現在の組合店舗数は前年比37店舗減の391店舗で、遊技機設置台数は同比9,926台減の19万1,919台。事業計画では「パチンコ・パチスロファンの回復・拡大」や「広告宣伝への適切な対応」「積極的な社会貢献活動」などを基本方針とし、ホール駐車場等における子どもの事故根絶や使用済み遊技機の適切な処理の推進など11項目を継続的重点推進事項に盛り込んだ。議事終了後には退任理事に対する感謝状贈呈式、令和5年度「暴排・防犯・少年非行防止」活動優良支部への表彰式も行われ、総代会終了後には、懇親会も盛大に開催された。