中国遊技機商業協同組合(中国遊商)は5月16日、広島市のANAクラウンプラザホテル広島にて令和6年度第54回通常総会を開催。議案審議では全2議案を審議し、全て可決承認された。
第1部の通常総会において冒頭、挨拶に立った中国遊商の山本基庚理事長は「令和5年においては毎日、全国どこかで1店舗以上が閉店し、この3年間でホール店舗数は大幅に減少した。その影響は私ども組合員にも大きくのしかかっており、厳しい経営環境となっている。しかし私どもには実行していかなければならない使命がある。まず一点目は、2024年働き方改革関連法案による運送問題。時間外労働問題を解消するために警察庁指導の元、ホール団体をはじめ関連団体の協力を得ながら適正に実行していかなければならない。二点目は、安全で安心な遊技機流通事業や関連設備等の提供並びにセキュリティ対策の強化。開店1週間前に納品ができる新台遊技機流通制度や現状の中古遊技機流通制度など、ホール様に安全で安心な遊技機や関連機器などを提供できるよう一層のセキュリティ強化が必要だ。三点目は違法な廃棄処理を許さない使用済み遊技機の適正処理。野積み、闇パチや闇スロへの流出などの事案が発生しないよう適正な処理を続けていかなければならない」と決意を述べた。
続いて来賓代表として挨拶に立った中国四国管区警察局広域調整第一課の水原義猛課長は「水原といいましても私は節度を持って遊技しているのでご心配なく」と会場を和ませた上で、「ぱちんこ遊技人口が減少傾向にある中、業界全体の取り組みとして射幸性を抑えた遊技機の設置、遊技機の不正改造防止対策などを推進いただいている。しかしながら依然として、ギャンブル依存症の問題、遊技機の不正改造事犯、景品の買取事犯など健全化を阻害する要因は未だあるのが現実。不正ロムや無承認変更等の不正改造機が流出しないよう、遊技機の管理を徹底し一層の健全化を図っていただきたい」と祝辞を述べた。
議案審議では、全2議案を可決承認。令和5年度の事業報告によると、同組合の組合員数は前年度から4社減の54社。確認証紙の交付は件数が前年度比4,221件減の25,858件、台数で2,564台減の47,569台となり、件数・台数ともに減少した。社会貢献活動報告では、平和記念公園一斉清掃による環境美化活動の実施を始め、献血活動、日本赤十字社広島支部への10万円の支援などが報告された。
続く第2部では会場を移し、演題「遊技業の健全化について」とした行政講話が行われた。講師として招かれた広島県警察本部生活安全部生活安全総務課の新宅武公課長補佐は「昨年は広島でサミットが開催されており、前回この会合は岡山で開催されたと聞いている。おかげで無事サミットも終了できた」と業界の配慮や協力に謝意を述べた上で、「まずはじめに、古物営業法が令和6年4月1日より一部改正されている。遊技機の中古機も扱う場合、許可を取られているケースも多い。標識を営業所等の見やすい場所に提示する、ウェブサイトに名称、許可をした公安委員会の名称及び許可証の番号を掲載する、などについては義務となったのでご注意いただきたい」と古物営業法の一部改正に触れた。
そして「今日は三点お話させていただきたい。まず一つ目は法令遵守。ぱちんこは大衆娯楽として、遊技として認識されなければならない。しかし一般にパチンコは賭博だ、ギャンブルだ、との印象もある。風俗営業法の規制の範囲内で適正に行われれば、これは決して賭博、ギャンブルではない。風俗営業法の規制の範囲内で適正に行っていただき、自信を持って賭博ではない、と言えるようにしていただきたい。二つ目は広告宣伝の在り方。これはホールの問題であり貴組合は直接関係しないかもしれないが、広告宣伝については業界でガイドラインを策定し、それに沿って行っている。大きな目的の一つは、地域差の解消。業界自身の自浄取り組みとして健全化のためにやっていることはご認識いただきたい。三点目は依存症対策問題。ぱちんこ業界はよくやっていただいていると行政でも認識している。引き続きのめり込みを防ぐため、今後も努力を続けていただきたい。最後に、やるべきことをやる、やるべきでないことはやらない。これを実行して、是非この業界がもっと明るくなるよう健全化について惜しまぬ努力をお願いしたい」と話した。
第3部の懇親会では広島県遊協の延川章喜理事長や回胴遊商の大饗理事長も駆けつけ、アトラクションも含めて盛大に開催された。
※回胴遊商理事長の大饗(おおあえ)の「あえ」の字は、正しくは上が「郷」ですが、ご覧の環境によっては正しく表記されない場合があります。