4点目は、遊技機の流通における業務の健全化についてです。
遊技機の流通過程において型式の同一性が担保されるよう、中古遊技機については、中古機流通制度に基づく取組が実施され、新台設置や部品交換については、「製造業者遊技機流通健全化要綱」等に基づく制度の定着が進んでおります。一方で、遊技機の部品を正規の部品以外に無承認で変更する事案等が後を絶ちません。今一度、製造業者、販売業者等の遊技機の流通に携わる関係者においては、それぞれの場面で適切な点検確認等を実施していただき、部品取りを含む不正な行為が発生しないこと、そして、型式の同一性が保たれていることをしっかりと担保していただく必要があります。特に、製造業者等が作成する「保証書」については、製造業者等が、設置確認や点検確認をする前提のもと、遊技機の型式の同一性を疎明する書類として認められているものであり、万が一にも、これらの確認や保証書の作成が杜撰に行われ、遊技機の流通に関する制度が形骸化することがないよう、今一度、遊技機の流通に携わる関係者におかれましては、これらの制度が設けられた趣旨に立ち返っていただき、なぜこれらの制度が設けられているのかを正しく理解した上で、取組を継続していただくようお願いいたします。
最後に、業界の社会的地位の向上のための取組についてです。
業界においては、社会貢献活動の一環として、防災や災害対応のための取組、社会福祉施設への支援、地域の清掃活動等の地域に根ざした活動を多岐に渡って展開しているものと承知しております。ぱちんこ営業が店舗性を有するものであることを踏まえれば、地域社会との関係を如何に構築していくかという視点は、業界の社会的地位の向上に重要であると考えておりますので、引き続きの活動を期待しております。この点、貴協議会においては、遊技機部材のリサイクルに対する理解促進に関して、業界をリードして御尽力されていると承知しておりますところ、このような環境に配慮した取組も社会的地位の向上の観点から重要であると考えております。
以上、ぱちんこ営業の健全化を推進する上で特に必要であると考えていることについてお話ししました。
この他にもトラック運転手の2024年問題や流通制度におけるペーパーレス化等、業界においては様々な課題が存在しているものと承知しております。世の中の変化に伴い、新たな課題が次々と出現し、業界の皆様方におかれましては、こうした課題への対応に苦慮されていることと思われます。しかしながら、このような状況だからこそ、広く国民に憩いと潤いの場を提供するような、健全なレジャーとしてのぱちんこのあるべき姿を追及してほしいと思っております。
そのためにも、広告・宣伝の健全化やぱちんこへののめり込み・依存防止対策をはじめとする課題の一つ一つに真摯に向き合い、業界が一丸となって対応していただくことを期待しております。この点、警察といたしましても、業界の意見や要望に真摯に耳を傾けながら、こうした課題の解消に向けた業界の取組をしっかりと支援していきたいと思っております。
結びに、貴協議会のますますの御発展と皆様方の御健勝、御多幸を祈念して、私の話を終わります。