2点目は、ぱちんこへののめり込み・依存防止対策についてです。
昨今、オンラインカジノを巡る問題が指摘されたり、大阪のIR区域整備計画が認定されたりする中において、ギャンブル等依存症に係る問題も取り沙汰されております。ぱちんこ営業は、これらのギャンブルとは異なるものではありますが、業界においては、ギャンブル等依存症対策推進基本計画に基づき、のめり込み・依存防止対策を着実に推進していただいております。
そこで、基本計画に関し、具体的に何点かお話しします。
まず、アクセス制限に関する取組として、自己申告・家族申告プログラムの導入促進等についてです。
自己申告・家族申告プログラムについては、本年9月末現在で約6,000店舗で導入されていると承知しております。導入店舗数自体は着実に増加していますが、全体の導入率は伸び悩んでおり、また、都道府県ごとの導入率に大きな差があることも事実です。今後は、申告プログラムが導入されていることを前提として、その利用促進や利便性向上を図る必要があることを踏まえれば、そもそも申告プログラムの導入すらしていない店舗にあっては、のめり込み・依存防止対策に消極的であると解せざるを得ないことから、個別の店舗に対するもう一歩踏み込んだ導入の働き掛けをお願いいたします。
また、既に一部のチェーン店においては、申告プログラムの一括申請を可能とする仕組みを導入しているところもあると承知しております。業界においては、このような先進的な取組を参考としつつ、申告プログラムの利用促進や利便性向上の観点から、インターネットを利用した申請の仕組み作りや、ユニットシステムを活用した申告プログラムの運用の働き掛け等の取組も検討するようお願いいたします。
次に、業界の取組に係る第三者機関の活用についてです。
ぱちんこののめり込み・依存防止対策について第三者の視点を取り入れることは、その実効性確保の観点から重要であります。これまでも、業界においては、パチンコ・パチスロ産業依存対策有識者会議による評価・提言を踏まえ、取組の改善を図ってきたものと承知しておりますが、引き続き、評価・提言を真摯に受け止め、積極的に対応していただくようお願いいたします。また、一般社団法人遊技産業健全化推進機構によるのめり込み・依存防止対策の実施状況報告書においては、都道府県ごとに取組の実施状況を詳細に分析していることから、これを活用し、取組が不足している都道府県に対する働き掛けをしていくことが、業界全体の取組の底上げにつながると思われます。引き続き、これらの第三者機関によるチェック機能を有効に活用し、ぱちんこへののめり込み・依存防止対策の改善をお願いいたします。
次に、のめり込み・依存防止対策に係る地域連携体制の構築についてです。
業界においては、自治体が主催する依存症対策に関する連携会議に積極的に参画するだけでなく、関係機関による依存問題に関する広報啓発活動に積極的に協力しているものと承知しております。また、一部の県遊協やホール企業の取組として、関係機関に働き掛け、のめり込み・依存問題に関する知識を深めるべくセミナーを開催したり、のめり込み・依存問題に関する相談窓口が一覧できる広告物を作成してぱちんこ営業所で配布したりしている事例もあると承知しております。こうした事例を参考に、関係機関との円滑な連携を確保し、地域における連携の強化に努めるようお願いいたします。
以上、ぱちんこへののめり込み・依存問題について何点か申し上げましたが、この問題については、依然として多くの方の高い関心が集まっており、業界としての取組が注目されております。引き続き、社会の目を意識しつつ、ぱちんこへののめり込み・依存で困っている方やその御家族に寄り添えるよう、各種取組の推進・改善をお願いいたします。