兵庫県遊協は9月19日、神戸市中央区のANAクラウンプラザホテル神戸にて統一ブロックオーナー会議を開催。「永年活動顕彰」の表彰が行われた他、兵庫県警察本部の山下義宏警視、都留文科大学の早野慎吾教授を招いて、講演会を開催した。
冒頭、檀上に立った平山龍一理事長は「政府はカジノ含む統合リゾートについて大阪IR計画を全国で初めて認定した。このことから依存問題、依存問題対策がクローズアップされることは火を見るより明らかになっている。依存防止対策は社会的関心が非常に高く、業界における取り組みの実施にあたっては県民からどうみられているかという視点がかかせない。とりわけ、パチンコへののめり込み、依存で困っている方やそのご家族からの視点が重要でそういった方々の声に耳を傾け、真摯に寄り添う、これができるのは業界の中でも私たちホール関係者だけ。そこで各ホールでお客様の話を聞き、声掛けを行う安心パチンコパチスロアドバイザーの方に多く出席していただいている。引き続きのめり込み依存により、不幸に陥る人が1人でも少なくなるよう着実に依存対策を進めていくためにも、本日の講演をご清聴していただきたい。我々ホールをとりまく環境は依然として大変厳しいものであるが、兵遊協としてもお客様が安心して遊びやすい環境を構築できるよう組合員の皆様と連携して取り組んでいきたい」と挨拶。
また一般社団法人パチンコ・パチスロ社会貢献機構の「永年活動顕彰」を、要介護者外出支援活動継続の功として兵遊協、長田区暴力団追放キャンペーン継続の功として長田区暴力団と関係を断つ会遊技業分会が受賞し、代表の金井敬士福祉委員長(兵遊協)、後藤雅寛組合長(長田遊技業組合)にそれぞれ平山理事長から表彰が行われた。
続く講演では、兵庫県警察本部保安課調査官の山下義宏警視が登壇。「パチンコ営業の健全化について」という演題で講演を行なった。冒頭、子供の車内放置防止特別強化期間初日である7月1日に「ロトプレーヤー垂水店」の駐車場で車内に取り残されていた男児を巡回中の女性従業員が無事発見し、保護したことに対して兵庫県垂水警察署から同店の従業員に感謝状を贈呈したことを述べたうえで、「車内放置事案は、未だ危険意識の低い遊技客によって発生するもので、決して営業者の方に起因するものではないが、悲惨な事故を事前に防止するためには営業に携わるすべての従業員の方への周知徹底に尽きる。業界の意識の高さ、取り組み方針を世間に認知してもらうためにも引き続きポスターなどの呼びかけをお願いしたい。」と述べた。
また、パチンコ営業の健全化については、広告宣伝の扱いに対してガイドラインの遵守、のめり込み・依存防止対策の継続、さらなる強化、さらにパチンコ営業に関する不正防止対策、適正な書類作成を呼びかけ、「業界内には様々な課題が山積しているが、ぱちんこ産業は非常に多くの方が参加している娯楽産業である。これからも営業の健全化に向けた取り組みにご尽力していただき大衆娯楽としてますます発展することを期待している」と述べた。
次に、都留文科大学文学部国文学科の早野慎吾教授が登壇。「社会学から見たギャンブル依存について」というテーマで講演を行った。社会的な現象としてアプローチしたギャンブル依存について語り、「楽しいものに依存はつきもの、射幸心を煽るのを規制するのではなく、依存しすぎないように管理することが重要」と述べた。業界がすべきこととしては「感情論ではなく、正しいギャンブルに対する知識を大切にすべき」と指摘し、最後にイメージ改善のために政治から業界を変えていがなければならず業界から政治家を出すことの重要性を述べた。
会議終了後には、懇親会も開催され、多くの人が参加した。