神奈川県遊協と神奈川福祉事業協会は8月27日、横浜ベイホテル東急にて神奈川県と共催で「ウクライナの方々と楽しむ会~日本の伝統文化を知ろう!~」を開催した。県内を中心とするウクライナ避難民や支援者ら約180名を招待し、黒岩祐治県知事と在日ウクライナ大使館のオレクサンドル・セメニューク公使参事官が来賓した。
神奈川県遊協では、ロシアによるウクライナ侵攻を受け神奈川県に避難してきた避難民支援に取り組む県に対し、避難民に提供できるよう確保している県営住宅5戸分で使用する家財道具(テーブル、椅子、冷蔵庫、洗濯機、寝具等)を取り揃え、4月に贈呈。極めて短期間のうちに支援を実行したとしてその迅速な対応が評価され、第18回社会貢献大賞を受賞している。
今回はさらに、ウクライナ避難民に対する募金活動に寄せられた浄財を贈呈し、来場者にも支援金が渡される等、避難民を直接励まし、世界平和を共有する友好の場として開かれた。浴衣の着付けや輪投げ、おもちゃくじ等、夏祭り体験を通して日本の伝統文化を伝え、食事会では和洋楽器演奏会や日本料理でもてなした。終盤にはプレゼント抽選会も開かれ、豪華家電が当たった来場者はとびきりの笑顔を見せていた。
主催者を代表して登壇した伊坂重憲理事長は、「私達はウクライナから日本に来られた皆様が、安心して生活できるお手伝いができればという想いがある。本日は伝統文化に触れていただいて、少しでも日本という国を知ってもらい、友好の場を広げられれば嬉しい。今日の催しを楽しんでいただき、過ごしにくい暑い夏を吹き飛ばしてください」と挨拶した。
ウクライナの人達と夏祭り体験を楽しんだ黒岩知事は、この会を主催した両組合に改めて謝意を示し、「日本の浴衣、お祭りという雰囲気を存分に楽しんでいただきたい。祖国での戦争がこんなにも長く続くなんて当初は思わなかったが、この厳しい時代を乗り越え、皆様と平和を勝ち取りたいと思う。私達全員がウクライナの味方です」と避難民の心に寄り添った。
これを受け、セメニューク公使参事官は「この場を借りて日本政府や国民の皆様に感謝を申し上げる。今現在、世界中に6,000人を超えるウクライナ避難民がおり、そのうち220名を日本が受け入れてくれた。まだ戦争は続いており、これからも助けを必要としている方への支援を心からお願いしたい。今日は避難民に日本の美しさや文化を知るきっかけとなる素晴らしい機会を作っていただき、心から感謝している」と伝えた。