日遊協は、会員企業351社(正会員277社、賛助会員74社)を対象に今年9月に実施した「ダイバーシティアンケート」の結果を公表した。
同アンケートは、第1回女性活躍推進フォーラム(平成27年開催)の提案からスタートした「女性活躍アンケート」を、令和3年に多様性の追求へと変化する社会環境に対応する形で「ダイバーシティアンケート」に発展させたもの。回答企業53社(ホール経営25社、メーカー9社、その他19社)の令和3年度の従業員数は37,841人(うち女性従業員14,573人、構成比38.5%)で、女性比率は前年比0.5ポイント減少。正社員は総数19,294人のうち女性社員が2,656人となり、同0.3ポイント減少した。その他の主な結果は以下の通り。
・各社基準の管理職者のうち女性が占める割合は4.4%と、前年から0.1ポイント減少。厚生労働省(以下、厚労省)の調査によると、令和3年度の課長相当職以上の女性管理職は12.3%で前年から0.1ポイント減少しており、同調査の各社基準の管理職とは7.9ポイントの開きがあり、引き続き取り組むべき課題の1つと推察している。
・新卒採用は24社で実績があり、年間採用者総数の53.3%を占める。女性比率は新卒採用で36.6%、中途採用は30.0%となり、新卒採用の女性比率増加が今年の傾向。
・厚労省によるくるみんマーク、プラチナくるみん認定は10社が取得しており、取得検討中と4社が回答。
・ダイバーシティに現在取り組んでいる企業は18.9%で、取り組みを検討している企業は47.2%となった。特に力を入れている分野は、5割強の企業が「女性」、次いで障がい者を約2 割が挙げている。
・ダイバーシティ推進に取り組む企業の事例として、女性の活躍推進への各種取り組みの他、LGBTQ、SDGs、セカンドキャリアなど多様な課題への具体的活動が示された。
・勤務形態の多様性への対応のうち、半日単位の有給休暇制度や、短時間勤務制度、在宅勤務の採用をする企業が約半数を占めた。今回新設した選択肢「勤務間インターバル制度」は約1割の企業が実施し、検討中を含め2割に近い数字となった。
・ダイバーシティに対する教育やサポート体制のうち、ワークライフバランスに関する研修やSDGs研修、高齢者サポート(再雇用者向け研修等)の伸びが目立った。
日遊協は今後も同アンケートを継続的に実施し、業界のダイバーシティへの取り組みを表現していくとしている。
同アンケートの調査結果は、日遊協特設サイト(https://web-archive.nichiyukyo.or.jp/diversity/)にて公開されている。