【インタビュー】藤商事 今山武成代表取締役社長/優先課題はシェア拡大、一丸で前向きに業界を盛り上げたい

――スマパチ・スマスロがいよいよ今年から来年にかけて登場します。トピックとして注目している方も多いと思いますがいかがでしょうか?
部材不足などの問題もあって、先にスマスロが今年後半に登場する予定です。特にスマスロは有利区間G数上限が撤廃されて今までとは全く違った機械になりますし、これから伸びる市場だと期待はしています。パチスロが良くならないことには業界全体が伸びないですしね。スマパチはb時短やc時短をうまく使いながら射幸性以外で遊べる領域を増やしていければプラスになっていくと思っています。メンテナンス面でも実際に玉やメダルに触れることがない分、各段に楽になりますね。

――不正にも強くなるメリットもありますね。
現状、玉とコインの持ち込み被害額は年間数億円にも及びますのでそこは抑えられます。また新店の場合は各台計数機や玉も不要ですし、今よりも自由な空間を作ることができます。不正防止の観点として、持ち込みゴト以外にも、固有ID情報の照会によりなりすましゴトの撲滅など、期待できる効果が多くあることを伝えたいですね。

今山武成代表取締役社長

――遊技人口も減少の一途をたどっています。ファン人口の下げ止まり、また増加に転じるために必要な施策についてはどうお考えでしょうか?
今は特に4円では攻めた商品を好むユーザーが圧倒的に多いですよね。お店が人を集められるようになるためにも、うちのメーカーに限ったことではないですが版権物など若年層にターゲットを当てた商品作りにシフトしているのが現状です。絶対数を増やすためにも若年層ファンを増やす施策が必要です。

――若年層から特に支持の強い「とあるシリーズ」の販促にもかなり力を入れていた印象を受けました。
確かに投資に対して宣伝効果を高めるためにもSNSに主力を置きました。TVCMが解禁になりましたが、その対象はどうしても年配層になってきますし、ターゲットである若年層に訴求しようと思うとやっぱりSNSが効果的ですね。

――業界全体の集客向上についてはいかがでしょうか?
競輪や競馬など認知度の高いタレントをCMに起用していますよね。遊技業界もスマパチ・スマスロという大きな節目を迎えるこのタイミングで「ホールに遊びに行こう」と仕掛け、実際にホール様も受け皿として対応できる環境が整っていることが望ましいと思っています。店内で好きにお茶が飲めたり、自由に打てるコーナーとかがあってもいいじゃないですか。それぞれが一方通行ではなく業界全体で仕掛けづくりができればいい方向に向かうのではないかと思います。

――最後に今後の抱負についてお聞かせください。
社長という肩書を貰い受けましたが、社長だからといってこれまでと特に気持ちは変わっていません。私としては皆の話を聞くことができる社長でありたいと就任時に伝えました。そうじゃなければ価値が無いと思いますし、皆の笑顔が見られる企業にしていくことが最後の私の着地点だと感じています。

株式会社藤商事 今山武成代表取締役社長

1966年生まれ、熊本県出身。1989年に入社し、2007年営業本部部長、2010年執行役員営業本部長などを経て、2016年JFJ代表取締役社長、2021年には代表取締役専務執行役員、2022年4月に代表取締役社長へ就任。趣味はゴルフ。

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