遊技機取付けのスピードと正確さを競うiスポーツ。その初めての競技大会となる「GENNOUカップ 第1回入替屋選手権」(主催:株式会社入替屋、主管:日本iズポーツ機構)が、5月15日東京板橋区のP-SPACEで開催された。
新型コロナウイルス感染防止のため無観客で行われた競技大会には、「iスポーツ健康アドバイザー」資格を取得した110名(5月15日現在)の中からトレーニングを重ねてエントリーした14名が競技に参加。本職である入替業者やホールスタッフはもちろん、未経験者、女性選手、果てはプロレスラーのようなマスクマンまで、個性豊かなメンバーが集結した。
ルールは、釘抜きを使用して、遊技機と台枠を取り外し、所定の位置まで移動した後、本体と台枠を分離。続けて、台枠を玄翁で仮固定した後、下げ振りとスコヤで、傾斜調整を行い固定。遊技機を設置するまでのタイムを測定するというもの。予選ラウンド7試合を行い、予選タイム上位の4選手が、準決勝・決勝のトーナメントへ進出という構成のもと、各選手が鍛え抜かれた素早く正確な動き、パワフルな作業ぶりを披露した。
予選を勝ち進んだのは、大工のササヤマン選手(予選タイム2分36秒/埼玉県・38歳)、みょんチッチ選手(同2分23秒/東京都・34歳)、はしお選手(同2分14秒/東京都・25歳)、スイフーカン選手(同2分16秒/東京都・36歳)。準決勝では、はしお選手が大工のササヤマン選手に圧勝。一方、みょんチッチ選手は、会社の同僚というスイフーカン選手を接戦の末に下し、それぞれ決勝戦へ。決勝戦は、フィニッシュ時点の2選手のタイムが1分48秒、1分51秒と、わずか3秒という熱戦に。手に汗握るスリリングな展開の末、みょんチッチ選手が初優勝。賞金20万円を獲得した。また、みょんチッチ選手の2分03秒が男子プロGennerのiスポーツ公式最速記録に、アオイ選手の3分40秒が女子プロGennerのiスポーツ公式最速記録に刻まれた。
表彰式にて優勝したみょんチッチ選手は、「賞金よりも、優勝したいと思っていたので、この優勝楯が本当にうれしい。業界全体に元気がない中で、こういった競技大会を企画してくれた関係者の皆さんに感謝していますし、今後もこういう競技大会が開催されて、盛り上がってほしい」と興奮気味に感想を語った。
大会を主催した株式会社入替屋の多斐勇一郎社長は、「もっと楽しく、明るく和やかなムードになるかと思ったが、やはりタイムが出るとなると、選手も真剣になる。シリアスなスポーツとして、魅力ある大会になってくれました」とコメントした。日本iスポーツ機構の大原弘代表理事は、「『iスポーツとはこういうものだ』と公表出来たという意味で、今日令和3年5月15日は名実ともにiスポーツが生まれた日となったのではないか、関係者全員に心より感謝申し上げます。iスポーツの醍醐味は、このような競技大会の開催にあると思います。各方面に、立派な企画をもってiスポーツをスターダムに押し上げて頂けるよう応援とご協力をお願いいたします」と語っていた。
大会会場では、大崎一万発氏、ヒロシヤング氏、株式会社入替屋の富澤紀之副社長が実況解説、インタビューはライターの成田ゆうこ氏が担当した。、有限会社ゼイドンノウが各選手の迫真せまる姿の撮影を行った。このGENNOUカップ 第1回入替屋選手権の動画は、6月初旬に配信予定。