9割のホールが消費税増税による影響を懸念

エンタテインメントビジネス総合研究所は4月26日、パチンコ・パチスロのマーケティング事業を展開する㈱シーズとの共同で実施した「第76回パチンコ景気動向指数(DI)調査」の調査報告書を公表した。

過去1カ月の収益や売上、粗利などから判断される「全般的業況」は、マイナス2.9ポイント(前回比41.8良化)まで大幅に回復。同書では、年末年始の休日が例年よりも長かったことや3月に導入されたパチスロ6号機が高稼働で推移していることなどを大幅回復の要因に挙げた。

今回の調査におけるトレンドウォッチのテーマは「入替自粛と消費税増税」。G20大阪サミット開催に伴う入替自粛や消費税増税が実施された場合の影響について質問した。

入替自粛による「客数」「売上・粗利」への影響について最も多かった回答は「変化なし」で、それぞれ63.0%、58.9%と半数を超えた。

2番目に多かった回答は「減少」で、「客数」では35.6%、「売上・粗利」では39.7%となり、マイナスの影響があると考える事業者は一定数いることがうかがえる。

次に今秋に予定されている消費税増税の影響については、「少し影響がある」が最も多く61.6%。2番目に多かった「大きな影響がある」(32.9%)と合わせると9割以上が影響はあるとの考えを持っていることが分かる。

消費税が増税された際の業界に与える負の影響で危惧することについて質問したところ、特に多かった回答は「可処分所得の減少とともに余暇費用が減るため、遊技参加人口が減少する」(72.6%)と「パチンコ・パチスロに使う1日当たりの金額や来店頻度が減少する」(71.2%)。遊技参加人口や使用金額、頻度の減少に対する懸念が大きいようだ。

「増税時に望ましい消費税徴収方式」については、パチンコは「内税方式」(51.4%)が最も多く、2番目に「完全外税方式(10%外税)」(37.5%)が多かった。

一方で、パチスロは「完全外税方式(10%外税)」(51.4%)が最も多く、2番目に「内税方式」(37.5%)が多くなっており、パチンコとパチスロで対応に差が見られた。

消費税増税に関しては、

「消費税増税は2014年時と同じく、景気後退を生み出す要素を多く含んでいる。非常に危険だと感じているが、それに合わせて対応するしかない」(九州・中規模事業者)

「消費税増税は利益率上昇という形で遊技客の負担増になると感じる」(中部・大規模事業者)

「新基準機移行期間での消費税増税は頭が痛い。遊技機購入費の負担も増加する」(中部・小規模事業者)

といったネガティブなコメントが寄せられており、多くの事業者が消費税増税への対応に頭を悩ませている。

パチンコ景気動向指数(DI)調査は、パチンコ業界における景気動向の判定を目的に、2000年6月から四半期毎に実施しているアンケート調査。事業の業況や資本投資機運のほか、トレンドウォッチとしてパチンコ業界に関係する最新の事案を質問し、その結果を公表している。

今回の調査は今年3月14日~3月26日にかけてファックスおよびWEBアンケートにて実施し、73社のホール企業から回答が得られた。

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