日遊協は2月12日、都内千代田区のグランドアーク半蔵門で設立30周年記念式典及び記念祝賀会を開催した。
同組合は平成元年7月にパチンコ業界の公益法人として発足(平成26年に公益財団法人へ移行)。業界の「健全化」「近代化」「適正化」「社会的地位の向上」を活動主旨に、ホール、遊技機メーカー、販社、設備メーカー、景品卸ほか、関連企業で構成する業界唯一の横断的組織として知られる。
当日は第1部「記念式典」、第2部「記念講演」、記念祝賀会というスケジュールで進められた。
記念式典では同協会の庄司孝輝会長が挨拶。「日遊協は遊技産業の基盤を確立し、明るいレジャーとしてのパチンコ、パチスロを社会に提供するため、30年間、幅広い活動を続けている」と述べた上で、業界関係者向けの人材育成や、ファン創出への取り組み、各種社会貢献活動など、これまでの歩みを紹介。今後については「お客様のためを第1キーワードに、社会からより共感される新時代に相応したパチンコ、パチスロ産業を目指していく」と語った。
来賓として臨席した警察庁生活安全局の白川靖浩局長は、祝辞の中で「遊技機の射幸性抑制、不正改造防止、賞品問題、昨今では依存問題など多岐に渡る取り組みにより、業界の先駆者、中核的存在として貴協会は業界の健全化をリードしてこられたと認識している。業界が今後も、射幸性を適度に抑え、手軽に安心して遊べる健全な娯楽として、国民に広く受け入れられるよう、貴協会が業界の先頭に立って尽力頂きたい」と、同組合の今後の活動に期待を寄せた。
記念講演では、㈱無印良品の前会長であり、現在、㈱松井オフィスの社長を務める松井忠三氏が「38億円の赤字からV字回復!無印良品は、仕組みが9割」と題し、売上の急減に伴い業績が底に落ちたタイミングで社長に就任した同氏が、その後、どのように業績を回復させたのか、各経営施策や経営体制の仕組みを語った。
このほか第2部では、パネルディスカッションも行われた。登壇者は日遊協の新経営者会議のメンバーである㈱マルハンの韓裕代表取締役社長、京楽産業.㈱の榎本善紀代表取締役社長、さらに有識者として京都造形芸術大学の植島啓司教授。テーマは「遊技文化考~産業の本質から未来へのアプローチ」で、㈱ワールド・ワイズ・ジャパンの濱口理佳代表取締役を司会に、今後のパチンコ業界の発展に向けた提言などが、各パネラーより語られた。
祝賀会では、設立時より同協会を知る平沢勝栄衆議員議員が当時を振り返り「日遊協が設立したのは平成元年。まさに昭和から平成に変わった節目の年で、業界が大変な混乱にある中でスタートした。業界の問題は国会に飛び火し連日、衆議院、参議院の予算委員会でも大きく取り上げられた。日遊協の初代会長が松岡栄吉さん、今の庄司会長で6代目、まさか30周年を迎えることができるとは思わなかっただけに、この間の皆様のご尽力に心からお礼を申し上げたい。日遊協設立時、保安課長だった私は『業界はビジネスだからお金を儲けることは当たり前、社会に対する貢献も忘れないでほしい』ことを強く言わせて頂いた。社会が驚くようなスピードで変わっている中で、業界も変わっていかなければならない。皆さんには日遊協が結成したときの精神に立ち返り、業界としては何をすべきか、30周年を機に、しっかり考え、業界発展のために活躍して頂きたい」と述べた。