㈱ユニバーサルエンターテインメント(富士本淳代表取締役社長)は11月30日、同社元取締役会長の岡田和生氏に対し、不正資金流出疑義に関する件で東京地裁へ損害賠償請求訴訟を提起したと発表した。
11月27日付けで提起した今回の訴訟は、岡田元会長が行ったとされる3件の不正行為に関し、同社が受けた損害の一部について損害賠償請求を行うというもの。なお、岡田元会長の不正により同社グループが受けた損害の大部分は同社の完全子会社である香港法人Tiger Resort Asia Limited(以下、TRA社)であり、TRA社が受けた損害については別途、TRA社が香港で岡田元会長に損害賠償請求訴訟を提起する予定。そのため今回、㈱ユニバーサルエンターテインメントが提起した請求は、同社がTRA社を介さず直接受けた損害(特別調査委員会の調査費用相当額)に限定した。
㈱ユニバーサルエンターテインメントが主張する岡田元会長の不正行為とは、「TRA社から第三者への貸付」「TRA社からの小切手の振出し」「Universal Entertainment Korea co.,ltd(UE韓国社)による担保提供」における不正資金流出疑義のこと。
㈱ユニバーサルエンターテインメントでは、この件を調査するため外部専門家で構成する特別調査委員会を設立。今年8月30日に同社が公表した同調査委員会の報告書では岡田元会長について「いずれの行為でも、自己の個人的な利益を図っているものであり、公私混同も甚だしく、上場企業の取締役として当然有すべき倫理感が乏しかった」と指摘していた。
同社では今後の見通しについて「本件の進捗に応じて、開示が必要な事項が発生した場合には、速やかに知らせる」としている。