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「依存防止対策」「射幸性の抑制」など、警察庁・津村課長補佐が講話

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射幸性の抑制に向けた業界の取組として、製造業者団体が新たな遊技機基準を設け、平成27年6月、全日遊連は、新基準に該当しない遊技機の設置比率に目標値を定め、こうした遊技機の撤去に努めているところであると承知しています。

昨年12月1日を期限に定められていた削減目標値については、営業所全体としては、その目標を達成したとのことですが、営業所別に見た場合、目標を達成できていない営業所が多数あったと聞いています。また、回胴式遊技機については、「メーカー団体が特に高い射幸性を有すると区分した遊技機については、ホールはこれを優先的に撤去する」とした6団体合意のとおりには、必ずしもなっていないという話も聞いており、こうした点について非常に残念に感じていることはこれまでも述べてきました。

本年5月、ぱちんこへの依存防止対策が喫緊の課題となっている現状において、業界が自主的に実施を決めた新基準に該当しない遊技機の設置比率の目標値を達成できていない営業所がいまだ存在していること、また、「特に高い射幸性を有すると区分した遊技機」の撤去が進んでいないことは大きな問題であると指摘した上で、6団体において改めてこの課題に対する対応を検討し、その結果を報告するよう要請しました。

現在の目標値設定は、来月1日までとなっていますが、今後は、来月1日以降における、新基準に該当しない遊技機、とりわけ「特に高い射幸性を有すると区分した遊技機」の削減に向けた業界の自主的な取組を早期に決定していただきたいと考えています。

また、こうした経緯も踏まえて、全ての営業所が来月1日の削減目標値を確実に達成していただくようお願いいたします。ぱちんこへの依存問題等により、ぱちんこ業界に対し、国民から厳しい視線が向けられる中、業界が自主的に実施すると決めたことが実施できないという状況では、ぱちんこが国民の大衆娯楽として受け入れられることは難しいと思います。業界における真摯な取組を期待しています。

次に、「検定機と性能が異なる可能性のある遊技機」の問題についてです。

この問題については、当庁から業界に対し、昨年末を期限に検定機と性能が異なる可能性のある遊技機の撤去・回収を要請していたところ、業界として、昨年末までの撤去・回収の完遂に向けて努力していただきました。

改めて説明するまでもないことですが、検定制度上、ぱちんこ営業所に設置され営業の用に供される遊技機については、検定機どおりの性能であることが求められており、検定機と性能が異なる遊技機を設置し営業することは制度上許容されていないばかりではなく、極端な場合には風営適正化法が禁止する著しく射幸心をそそるおそれのある遊技機を設置していることにもなりかねません。

誠に残念なことですが、ぱちんこ営業所において遊技くぎを曲げて検定機と異なる性能を創出する事案は、いまだに継続して発生しております。これまでにも、そのような事案は射幸性の適正管理を侵害する悪質な不正改造事案であると申し上げておりますが、依然、客寄せ等営業者側の都合により入賞口付近のくぎを開け閉めしていた事案が発生しているところであります。

いわゆるIR推進法が国会で審議された際に、ぱちんこ業界に対して大変厳しい意見が述べられたことについては既にお伝えしたとおりですが、このような厳しい現状において、こうした問題が続くようであれば、業界の信用は大きく損なわれ、国民の支持を前提とする大衆娯楽という地位から大きく離れてしまいます。

今回の規則改正では、射幸性の抑制の観点からではありますが、ぱちんこ遊技機にも「設定」の導入が認められたことから、くぎ曲げの抑制にも資するものと考えています。こうした改正を踏まえてもなお行われるくぎ曲げについては、とりわけ厳しく取締り等を行う必要があると考えています。

今後はくぎに関する問題を生じさせないという意識が、遊技機製造業者、ぱちんこ営業者の枠を超えて、業界の方々に広く定着することが必要だと考えております。貴協議会におかれましては、正しい認識を各会員に理解していただくよう周知徹底を図ることはもとより、業界全体をリードして、こうした問題の絶無に向けて積極的に尽力されることを期待いたします。

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