日電協(佐野慎一理事長)と回胴遊商(大饗裕記理事長)主催による「パチスロサミット2017」が、8月5日、都内千代田区のベルサール秋葉原で開かれた。
主催団体の両理事長によるテープカットで幕を開けた同イベント。例年同様、様々な催しが用意されているとあって、会場には開始早々より、多数の一般ファン等が詰めかけた。
地下1階フロアでは、同イベントではお馴染みとなったサンスポアイドルリポーター(SIR)の面々がオープニングステージを彩った。軽妙なトークと歌によるライブで、イベント開始早々にも関わらず、会場の雰囲気は一気に盛り上がりを見せた。
また同フロアでは終日に渡って大(ウルトラ)試打会を実施。20メーカー・27機種の未導入機種を多数含む最新パチスロ機が一同に勢ぞろいしたことで、常時、多数のファンで溢れかえる様相だった。
1階フロアでも、主に一般ファン向けの催しとして、お笑い芸人の原口あきまささん、グラビアアイドルの多田あさみさんほか、多数の人気攻略誌ライターらによるニコ生中継ステージや、SIRによる目押し教室、「依存問題注意喚起」啓蒙パネル展等が行われた。
一方、地下1階及び1階フロアと対照的な雰囲気だったのが2階フロア。同フロアでは、業界関係者限定の催しとして緊急公開討論会を開催した。討論会は、フジサンケイビジネスアイ編集局の青山博美氏を司会に、パネラーとして元衆議院議員の杉村太蔵氏を始め、パチスロライターの“ういち”さん、よしの病院精神科医の河本泰信氏、セントラルカンパニーの力武一郎代表取締役、ワンデーポートの中村努施設長、エンタテインメントビジネス総合研究所の藤田宏代表取締役が登壇。主にパチンコ含む依存問題等をテーマに議論が交わされた。
冒頭、国内IR関連の動向として元衆議院議員の杉村太蔵氏は「IR推進法案だが、よく成立したなと思う。それまで自民党内でも慎重な意見があった。IR実施法案も来年の春に審議という話もあるが、ハッキリ言って来年の春なんてどうなっているか分からない。安部さん自体もどうなっているか分からないし、誰が政権を担っているのかも分からない。IRに関しては全くの未定というのが現時点での私の感覚。何も決まっていない。国の政策として本当にIRをやりたいのかすら正直わからない」と自身が抱いている感想を述べた。
IR実現に伴い必須となるのがパチンコを含むギャンブル等依存症対策だが、ワンデーポートの中村努施設長は、政府等が進めようとする対策の方向性について疑問を投げかける。「依存対策について社会の中で色んなことが言われているが、依存症の方に対する支援というのがかなりズレていると思う。私たちの施設に来る人のほとんどは、パチンコをやった結果、仕事やお金で問題が発生するのではなく、元々、社会の中で上手くできない人がパチンコをやることでさらに問題が大きくなっているというケースだ。それなのに、あたかもギャンブル障害といった病気があるいう風潮をマスコミが作っている。依存対策が政治問題となり私が危惧しているのは、本当に必要な対策が取られず、対策のための対策が進められているという印象がある」と指摘した。
また同氏は、ギャンブルで問題を抱える人に対する入所施設の実態を述べ、「ワンデーポートにきて依存症が治るのか。僕の感覚で言うと、あまり変わらず、劇的に変わる人は1~2割程度だ。では、8~9割の人はダメかというと、そうではなく、その人の生活が取り返しのつかないことにならないよう、家族と支援者が協力してその人の人生を作っていくという考え方で私は仕事している」とし、相談機関や施設を作れば依存問題が解決できるという安易な発想だけでは当事者にとって必ずしもプラスにならないとの考えを述べた。
討論会の最後、ホール企業のセントラルカンパニー・力武一郎代表取締役は業界の依存対策について「我々ホールとしてはキッカケ作りをやりたい。パチンコ依存は自然完治する割合も多い。例えばお客様がRSNのポスターの質問を見て、当てはまっている項目が多いななどと思った結果、我に返って遊技の方法が正常になったりとか、アドバイザーも含めてホールでやっていければいいなと思う」と語った。
※回胴遊商理事長の大饗(おおあえ)氏の「あえ」の字は、正しくは上が「郷」ですが、閲覧環境によっては正しく表記されない場合があります。