警察庁は7月11日、風営適正化法施行規則及び遊技機規則の改正案を公表。パブリックコメントの募集を開始した。改正案の内容は出玉性能を現行の2/3程度に抑えるため、出玉試験の基準値や大当り1回の最大出玉数を見直したほか、新たに「管理遊技機」「パチンコ機の設定」の導入を認めた。パブリックコメントの意見提出期間は7月11日~8月9日まで。改正規則は来年2月1日より施行される。
改正案は、政府が今年春にまとめたギャンブル等依存症対策の強化に関する論点整理に沿って規制の見直しを図ることが趣旨であり、出玉性能を現行の2/3程度に抑えるなど、全般的に規制強化色の強い内容だ。
パチンコは大当り1回で獲得できる最大出玉数を現行の払い出し2,400個(9,600円相当)から払い出し1,500個(6,000円相当)へと抑制。これに伴い大当りラウンド数も現行の最大16ラウンドから最大10ラウンドに引き下げた。
出玉試験の基準値も見直され、現行の1時間試験、10時間試験に加え、新たに4時間試験を導入。同試験では出玉率150%以下を上限とし、標準的な遊技時間(4時間)で獲得できる出玉の上限を5万円以下に制限することを狙う。また、1時間及び10時間の出玉試験の上限値も、4時間出玉試験と同じ水準(1時間で出玉率220%以下、10時間で出玉率133%以下)になるよう規制を強化する。
パチスロも同様の規制が加わった。パチンコ同様、大当り1回で獲得できるメダルが最大300枚(6,000円相当)に抑えられたほか、出玉試験の基準も厳格化された。その内容は400G試験が出玉率220%以下、1,600G試験が出玉率150%以下、6,000Gが出玉率126%以下、17,500Gが出玉率115%以下というもの。現行に比べて、1,600G試験が新たに追加され、この他の出玉試験の上限出玉率も低くなった。
改正案では出玉規制のほか、現行のパチンコ機にはない機能として、パチスロ機同様「設定」の導入が認められる。大当り確率に関わる「設定」を6種類まで設けることが可能となり、ホール営業者の営業の自由度を高めた。
「管理遊技機」に関わる規格も定めることとした。「管理遊技機」は過去、「封入式遊技機」「エコ遊技機」と呼ばれていたもので長年、業界内で導入の是非を巡って議論が交わされていた。改正案で警察庁は「遊技機の射幸性が過度に高まることを防止するため、出玉情報等を容易に確認できる遊技機に関わる規格を定める」としている。
また遊技機の仕様に関わることだけでなく、改正案には、ホール営業者に対しても依存防止対策の観点から、遊技客に過度な遊技をさせないための必要な措置の実施をホール管理者の業務として規定することを盛り込んだ。
現行規則機の扱いだが、原則的に認定、検定を受けている遊技機は、新規則施行日後も、当該認定、検定期間中は経過措置により、ホール営業での設置が可能だ。また、施行日前に認定または検定の申請を行い、施行日後、現行基準で認定、検定を受けた遊技機も、施行日から概ね3年間の設置が可能となっている。