【特別寄稿】ボーナストリガー・設定付きぱちんこ確変・Bluetooth…「技術上の規格解釈基準」改正を徹底解説!(WEB版)/鈴木政博

今年8月23日に「技術上の規格解釈基準について(通知)」が発出された。これは2020年1月6日の改正、2022年3月30日の改正に続くもので、2020年には「b時短(遊タイム)」や「c時短(突然時短)」の搭載に加え、リミッター回数を二通りまで設けることも可能となった。2022年にはスマパチにおいて「Cタイム」搭載が可能となり、遊タイムの発動回数が確率分母の1.5倍まで緩和、加えてぱちんこ差玉95,000発・パチスロ差枚数19,000枚で発動する「コンプリート機能」が搭載された。

それでは今回の改正では、具体的にどの部分が改正されたのか。主な部分についての「改正前」と「改正後」の文面に加え、内容について徹底解説を行いたい。

技術上の規格解釈基準
第2 各論
1 「別表第二 技術上の規格における用語の意味」関係

【改正前】

(2)ワ
「設定」は、別表第四(1)リ(ニ)及び(ト)に抵触しないものである。
「設定」を変更することにより作動確率以外の遊技機の性能が変動する場合には、技術上の規格に定められていない遊技機が誰かの調整により遊技機の性能を変動させることを可能とする性能を持つものであると解し、「遊技の公正を害する調整を行うこと」を可能とする性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、別表第四(1)リ(イ)に抵触する。

【改正後】

(2)ワ
「設定」は、別表第四(1)リ(ニ)及び(ト)に抵触しないものである。
「設定」を変更することにより作動確率及び当該変更に付随して変更される以下のいずれかの性能以外の遊技機の性能が変動する場合には、技術上の規格に定められていない遊技機が誰かの調整により遊技機の性能を変動させることを可能とする性能を持つものであると解し、「遊技の公正を害する調整を行うこと」を可能とする性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、別表第四(1)リ(イ)に抵触する。
・別表第四(1)ト(ヘ)の解釈にある特別電動役物連続作動回数決定装置に係る抽せんの確率
・別表四(1)ト(ト)の解釈にあるα、β又はγの値

《解説》
設定付きぱちんこ遊技機において、設定ごとに変更できるのは今まで「大当たり確率(低確率・高確率)」のみであったものが、設定ごとに「ラウンド振り分け率」と「確変性能」について変更できるようになる。「別表第四(1)ト(ヘ)の解釈」とある部分がラウンド振り分けによる平均ラウンド数の規定部分。「別表四(1)ト(ト)の解釈」とある部分が確変規定の部分であり、ここでいう「α」が確変率、「β」が確変のST回数、「γ」が転落確変の転落確率のこと。

今後、日工組内規等によりどのような詳細規定になるのかは現時点で明らかではないが、この解釈基準の文面においてのみで解釈すると、今後は例えば「設定1は70%が2Rだが設定6なら70%が10R」といった設定ごとのラウンド振り分け率の変更や、また「次回確変ループ機で設定1は確変率50%だが設定6なら70%」といった確変率の変更に加え、「ST機は設定1~6でST回数が50回~100回に変わる」「設定1~6で転落確率が変わる」といった遊技機の開発が可能になると考えられる。

2 「別表第三 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格」関係

【改正前】

(1)イ(ト)
「印刷」とは、容易に消去及び改ざんできるものでないものであると解する。
「遊技機の製造業者又は輸入業者」とは、当該基板を搭載した型式の遊技機を製造又は輸入している業者のみであると解する。

【改正後】

(1)イ(ト)
「印刷」とは、容易に消去及び改ざんできるものでないものであると解する。
「遊技機の製造業者又は輸入業者」とは、当該基板を搭載した型式の遊技機を製造又は輸入している業者のみであると解する。
「遊技機の製造業者又は輸入業者の氏名又は名称」として、略称表記(あらかじめ届出がなされ、指定試験機関に通知がなされているものに限る。)が印刷されているものは、本規定には抵触しない。

《解説》
主基板の板面に、容易に識別できるよう「遊技機の製造業者又は輸入業者」と「型式を特定するための番号・記号」を表示する必要があるが、「遊技機の製造業者又は輸入業者」についてはあらかじめ届出をして指定試験機関に通知しておけば「略称表記」でもOKとなった。

【改正前】

(3)チ ※表記なし
(3)ヌ
いわゆる「ハーネス」同士が接続されている構造である場合には、遊技機が不要なハーネスを設けていると解するため、当該遊技機の当該構造は、本規定に抵触する。
基板が、空き端子及び空きコネクタを設けている場合には、不要な端子及びコネクタを設けていると解するため、当該基板の空き端子及び空きコネクタを設けている構造は、本規定に抵触する。

【改正後】

(3)チ
遊技機が発する音声を信号に変換し、遊技機外の機械又は装置に送信する機能のみを有する装置(当該装置によって送信された信号を受信する機器と接続するために必要な信号を送受信する機能を有するものを含む。)により遊技機外の機械又は装置と信号を送受信することは、本規定に抵触しない。
(3)ヌ
いわゆる「ハーネス」同士が接続されている構造である場合には、遊技機が不要なハーネスを設けていると解するため、当該遊技機の当該構造は、本規定に抵触する。
基板が、空き端子及び空きコネクタを設けている場合には、不要な端子及びコネクタを設けていると解するため、当該基板の空き端子及び空きコネクタを設けている構造は、本規定に抵触する。
遊技機が発する音声を信号に変換し、遊技機外の機械又は装置に送信する機能のみを有する装置(当該装置によって送信された信号を受信する機器と接続するために必要な信号を送受信する機能を有するものを含む。)により遊技機外の機械又は装置と信号を送受信することは、本規定に抵触しない。

《解説》
今までは不正防止対策の観点から、例えば遊技機に「イヤホンジャック」挿入口を搭載し、イヤホンにより遊技客が遊技機の音声を聞く等の構造は許可されていなかった。今回の改正でぱちんこ遊技機・パチスロともに「音声のみを遊技機よりBluetooth接続により発信し、遊技者はイヤホンで聞く」ことが可能となった。ホールの静寂化に効果的であるのに加え、例えば最近主流の「先バレカスタム」などにおいて「自分だけが分かる」といったゲーム性の広がりにも期待できる。

3 「別表第四 ぱちんこ遊技機に係る技術上の規格」関係

【改正前】

(1)ホ(ロ) ※後半抜粋
a 役物連続作動装置の作動終了時を契機として変動するものであって、当該変動が、条件装置の作動確率が高い値となっている間又はあらかじめ定められた回数の条件装置の作動に係る抽せんを行うまでの間に限られているもの(変動している間に獲得された遊技球数を発射された遊技球数で割った値が、1を超えないものに限る。)
b 条件装置の作動確率が低い値となっている間に、条件装置の作動に係る抽せんの結果につき、設定ごとにあらかじめ定められた回数連続して(1/MLの1.5倍以上3.0倍以下の回数に限る。)条件装置が作動しなかったことを契機として変動するものであって、当該変動が、あらかじめ定められた回数の条件装置の作動に係る抽せんを行うまでの間に限られているもの(変動している間に獲得された遊技球数を発射された遊技球数で割った値が、1を超えないものに限る。)
c 条件装置の作動確率が低い値となっている間に、特別図柄表示装置にあらかじめ定められた図柄の組合せ(条件装置及び特別電動役物を作動させることとなる図柄の組合せを除く。)が表示されたことを契機として変動するものであって、当該変動が、あらかじめ定められた回数の条件装置の作動に係る抽せんを行うまでの間に限られているもの(変動している間に獲得された遊技球数を発射された遊技球数で割った値が、1を超えないものに限る。)

【改正後】

(1)ホ(ロ) ※後半抜粋
a 役物連続作動装置の作動終了時を契機として変動するものであって、当該変動が、条件装置の作動確率が高い値となっている間又はあらかじめ定められた回数の条件装置の作動に係る抽せんを行うまでの間に限られているもの(変動している間に獲得された遊技球数を発射された遊技球数で割った値が、おおむね1を超えないものに限る。)
b 条件装置の作動確率が低い値となっている間に、条件装置の作動に係る抽せんの結果につき、設定ごとにあらかじめ定められた回数連続して(1/MLの1.5倍以上3.0倍以下の回数に限る。)条件装置が作動しなかったことを契機として変動するものであって、当該変動が、あらかじめ定められた回数の条件装置の作動に係る抽せんを行うまでの間に限られているもの(変動している間に獲得された遊技球数を発射された遊技球数で割った値が、おおむね1を超えないものに限る。)
c 条件装置の作動確率が低い値となっている間に、特別図柄表示装置にあらかじめ定められた図柄の組合せ(条件装置及び特別電動役物を作動させることとなる図柄の組合せを除く。)が表示されたことを契機として変動するものであって、当該変動が、あらかじめ定められた回数の条件装置の作動に係る抽せんを行うまでの間に限られているもの(変動している間に獲得された遊技球数を発射された遊技球数で割った値が、おおむね1を超えないものに限る。)

《解説》
時短電サポ中のベース規定に関する部分。「a時短(大当たり後)」「b時短(遊タイム)」「c時短(突然時短)」について、「変動している間に獲得された遊技球数を発射された遊技球数で割った値」、つまり発射数と払い出し数につき、今までは「1を超えないものに限る」、つまり「ベース100を超えない」という規定部分に「おおむね」という単語が付け加えられた。

結論から言えば、この部分の解釈について何が可能となるのかについては「不明である」というのが現時点では正確であり、今後、日工組内規等を中心にして詳細は制度化されていくと推測される。11月初週現在においても既にネット上では「おおむね1であれば若干なら増える時短も可能?」「増えない時短(微時短)に加え、増える時短も合わせて搭載しても、全平均で1を超えなければいいのでは?」などの推測記事も各所に出ているが、これらは現時点ではあくまで「推測の域を出ない」ものであり、今後の制度化と正式なアナウンスを待つべきだろう。

【改正前】

(1)ト(ヘ) ※一部抜粋
特別電動役物連続作動回数決定装置が、あらかじめ定められた一の確率を設けていない又は遊技の都度に確率が変動する場合には、Nを定めていない性能を持つものであると解するため、当該装置の当該性能は、本規定に抵触する。

【改正後】

(1)ト(ヘ) ※一部抜粋
特別電動役物連続作動回数決定装置が、設定ごとにあらかじめ定められた一の確率を設けていない又は遊技の都度に確率が変動する場合には、Nを定めていない性能を持つものであると解するため、当該装置の当該性能は、本規定に抵触する。

《解説》
ぱちんこ遊技機のラウンド振り分けが設定ごとに変更できるようになったことから追記された部分。

【改正前】

(1)ト(ト) ※一部抜粋
遊技機が、α、β及びγを2以上持つ場合には、2を超える作動確率Mを持つものであると解するため、当該遊技機のα、β及びγを2以上持つ性能は、本規定に抵触する。ただし、設定によりMH及びMLの値が異なることにより、設定ごとに異なる作動確率Mの値を持つことは、差し支えない。

【改正後】

(1)ト(ト) ※一部抜粋
遊技機が、α、β及びγを2以上持つ場合には、2を超える作動確率Mを持つものであると解するため、当該遊技機のα、β及びγを2以上持つ性能は、本規定に抵触する。ただし、設定によりMH及びMLの値が異なることにより、設定ごとに異なる作動確率M、α、β又はγの値を持つことは、差し支えない。

《解説》
ぱちんこ遊技機の確変性能が設定ごとに変更できるようになったことから追記された部分。

【改正前】

(1)リ(イ) ※一部抜粋
遊技中に遊技を停止することを可能とする性能であって、あらかじめ定められた遊技を停止させる条件に達する前に、その条件に達するまでの定量的な変化を遊技者の遊技の公正を害さないように報知する措置が講じられているものは、本規定に抵触しない。

【改正後】

(1)リ(イ) ※一部抜粋
遊技中に遊技を停止することを可能とする性能は、あらかじめ定められた遊技を停止させる条件に達する前に、その条件に達するまでの定量的な変化を遊技者の遊技の公正を害さないように報知する措置が講じられている場合は、本規定に抵触しない。

《解説》
ぱちんこ遊技機における「遊技の公正を害する調整を行うことを可能とする性能」の、いわゆるコンプリート部分の解釈部分。言い回しを微修正した。

4 「別表第五 回胴式遊技機に係る技術上の規格」関係

【改正前】

(1)イ(リ) ※一部抜粋
「識別」とは、一の図柄の種類と他の図柄の種類を見分けることが可能であることであると解する。
本規定は、回胴回転装置の作動中はもとより、当該装置が作動していないときについても、常時満たす条件が定められているものである。
遊技機が、回胴回転装置を作動させるための操作をしてから回転停止装置を作動させて全ての回胴が停止するまでの間に、回胴に対する照明の色若しくは明るさを変動する性能又はガラス板等若しくは回胴上に何らかの図等を投影する性能を持つものである場合には、図柄をおおむね識別することを阻害する性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、本規定に抵触する。

【改正後】

(1)イ(リ) ※一部抜粋
「識別」とは、一の図柄の種類と他の図柄の種類を見分けることが可能であることであると解する。
本規定は、回胴回転装置の作動中(回転停止装置が無効時は除く。)において、常時満たす条件が定められているものである。
遊技機が、回転停止装置の作動が可能となったときから全ての回胴が停止するまでの間に、回胴に対する照明の色若しくは明るさを変動する性能又はガラス板等若しくは回胴上に何らかの図等を投影する性能を持つものである場合には、図柄をおおむね識別することを阻害する性能を持つものであると解するため、当該遊技機の当該性能は、本規定に抵触する。

《解説》
リール図柄は「おおむね識別できるものであること」の解釈部分。今まで「回胴回転装置の作動中」や「回胴回転装置を作動させるための操作をしてから回転停止装置を作動させて全ての回胴が停止するまでの間」とされていたが、今回から「回転停止装置が無効時は除く」「回転停止装置の作動が可能になった時から全ての回胴が停止するまでの間」となった。

つまり「擬似遊技中」など実際にはストップボタンが遊技結果に作用していない間は、透過液晶表示をリールにかぶせる、おおむね認識できないリール回転をさせるなどの演出も正式にOKとなったと解釈できる。

【改正前】

(1)ニ(ハ)
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。

【改正後】

(1)ニ(ハ)
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。
(1)ホ(ニ)、へ(ハ)及びト(ト)で示す、あらかじめ定められた一の規定数に固定する機能を有する遊技機については、通常遊技における普通役物に係る一の条件装置が作動する確率は、規定数にかかわらずあらかじめ定められた一の値であること。

《解説》
普通役物(いわゆるシングルボーナス)の規定解釈部分。ここで言う「規定数」とは、パチスロにおける「何枚掛け遊技か」という意味で使われている。いわゆる「ボーナストリガー」についての解説は後述するが、ここでは「3枚掛けしかできない」「2枚掛けしかできない」といった複数状態を持つパチスロであっても、シングルボーナスの確率は、何枚入れであっても通常遊技中は同一確率とすること、と解釈できる。

【改正前】

(1)ホ(ニ)
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する

【改正後】

(1)ホ(ニ)
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。
通常遊技における遊技メダルに係る規定数を、第一種特別役物若しくは役物連続作動装置の作動終了時又はリードライトメモリの初期化時に、あらかじめ定められた一の規定数に固定する機能を有しても本規定に抵触しない。ただし、第一種特別役物又は役物連続作動装置の作動終了時に一に固定する規定数は、当該第一種特別役物の条件装置又は当該役物連続作動装置の条件装置により定められるものであること。また、遊技メダルの獲得を補助する目的に回胴の押下位置や停止順を指示する機能を有する遊技機又は別表第5(1)ハ(ニ)a~eまでのそれぞれの条件において再遊技確率が変動する機能を有する遊技機(bで変動しcで変動前の確率に戻る機能のみを有する遊技機を除く。)でないこと。

《解説》
第1種特別役物(いわゆるレギュラーボーナス)の規定解釈部分。ここが今回「ボーナストリガー」とうたわれる性能のキモの部分となる。今までは仮に1枚掛けから3枚掛けまで可能なパチスロであれば、何枚掛けで遊技するかは遊技者が自由に決めることができた。今回の追記部分を分かりやすく言えば冒頭には「通常時に何枚掛け遊技ができるかについて、RB後またはBB後またはラムクリ時に、何枚掛けが可能かを1つに限定してもOK」とある。つまり、例えば「3枚掛け時はRB・BBが1/300」で、「2枚掛け時はRB・BBが1/30」という仕様とし、BB後のみを「2枚掛けしかできない」状態に固定することにより、BB後のみを「RB・BBが発生しやすい状態」とすることができる。

ただし後半部分では「何枚掛けかを固定する遊技機については、AT(目押し位置や押し順をナビする機能)やリプレイタイム(別表第5(1)ハ(ニ)a~eに規定。ボーナス中は除く)がないものに限る、とある。つまり「ボーナストリガー」搭載機にはAT・RTは搭載できないこととなる。

【改正前】

(1)ヘ(ハ)
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。

【改正後】

(1)ヘ(ハ)
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。
通常遊技における遊技メダルに係る規定数を、第一種特別役物若しくは役物連続作動装置の作動終了時又はリードライトメモリの初期化時に、あらかじめ定められた一の規定数に固定する機能を有しても本規定に抵触しない。ただし、第一種特別役物又は役物連続作動装置の作動終了時に一に固定する規定数は、当該第一種特別役物の条件装置又は当該役物連続作動装置の条件装置により定められるものであること。また、遊技メダルの獲得を補助する目的に回胴の押下位置や停止順を指示する機能を有する遊技機又は別表第5(1)ハ(ニ)a~eまでのそれぞれの条件において再遊技確率が変動する機能を有する遊技機(bで変動しcで変動前の確率に戻る機能のみを有する遊技機を除く。)でないこと。

《解説》
第2種特別役物(いわゆるMB・1GのCT)の規定解釈部分。同一表記を追記している。

【改正前】

(1)ト(ト)
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。

【改正後】

(1)ト(ト)
「あらかじめ定められ」とは、一の遊技機の特性として決定されている事項であると解する。
通常遊技における遊技メダルに係る規定数を、第一種特別役物若しくは役物連続作動装置の作動終了時又はリードライトメモリの初期化時に、あらかじめ定められた一の規定数に固定する機能を有しても本規定に抵触しない。ただし、第一種特別役物又は役物連続作動装置の作動終了時に一に固定する規定数は、当該第一種特別役物の条件装置又は当該役物連続作動装置の条件装置により定められるものであること。また、遊技メダルの獲得を補助する目的に回胴の押下位置や停止順を指示する機能を有する遊技機又は別表第5(1)ハ(ニ)a~eまでのそれぞれの条件において再遊技確率が変動する機能を有する遊技機(bで変動しcで変動前の確率に戻る機能のみを有する遊技機を除く。)でないこと。

《解説》
役物連続作動装置(いわゆるビッグボーナス)の規定解釈部分。同一表記を追記している。

【改正前】

(1)ヌ(イ) ※一部抜粋
遊技中に遊技を停止することを可能とする性能であって、あらかじめ定められた遊技を停止させる条件に達する前に、その条件に達するまでの定量的な変化を遊技者の遊技の公正を害さないように報知する措置が講じられているものは、本規定に抵触しない。

【改正後】

(1)ヌ(イ) ※一部抜粋
遊技中に遊技を停止することを可能とする性能は、あらかじめ定められた遊技を停止させる条件に達する前に、その条件に達するまでの定量的な変化を遊技者の遊技の公正を害さないように報知する措置が講じられている場合は、本規定に抵触しない。

《解説》
パチスロ遊技機における「遊技の公正を害する調整を行うことを可能とする性能」の、いわゆるコンプリート部分の解釈部分。言い回しを微修正した。

【改正前】

(2)ト(ロ)
「図柄の識別を妨げる」とは、図柄を識別することを困難にすることであると解する。
本規定は、遊技機について、回胴回転装置の作動中及び非作動中にかかわらず、常時満たす条件が定められているものである。

【改正後】

(2)ト(ロ)
「図柄の識別を妨げる」とは、図柄を識別することを困難にすることであると解する。
本規定は、遊技機について、回転停止装置の作動が可能となったときから全ての回胴が停止するまでの間において、常時満たす条件が定められているものである。

《解説》
構造に関する基準の解釈部分。前述した「擬似遊技中」など実際にはストップボタンが遊技結果に作用していない間は、透過液晶表示をリールにかぶせる等の演出が可能になったと解釈できる。

今回の解釈基準改正で、大きくぱちんこにおいては「設定ごとに確変性能やラウンド振り分けを変更できる」ようになり、パチスロにおいては「ボーナストリガー」が搭載可能となった。また、ぱちんこ・パチスロ共通で「Bluetooth接続で遊技機の音声をイヤホンで聞く」ことも実現しそうだ。今後この解釈基準改正をきっかけに各メーカーが様々なアイデアを結集し、ジャンルや利便性が広がり、果てには遊技ファン層の拡大に繋がっていくことを願ってやまない。

(以上)

■プロフィール
鈴木 政博
≪遊技産業研究所代表取締役・遊技日本発行人≫
立命館大学産業社会学部卒業後、ホール経営企業管理部、遊技コンサル会社を経て2002年に㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の開発アドバイザー、新機種情報収集及び分析を中心に活動し、TV出演・雑誌掲載など多数。2021年7月より業界誌「遊技日本」発行人を兼務。

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