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【特別寄稿】「ラッキートリガー」の徹底解説(WEB版)/鈴木政博

投稿日:2024年1月1日 更新日:

皆さま、新年明けましておめでとうございます。今年は新札発行対応など業界にとっても厳しい時代が続きますが今後ともよろしくお願いいたします。

さて今回は、様々な機種が続々と発表されている「ラッキートリガー」について、新年特別寄稿として解説したい。

1. 日工組内規の変更と納期
まず冒頭に申し上げたいのは、これまでネット上などで散見された「射幸性がアップする」や、逆に「1/199より甘いライトミドルや甘デジにのみ搭載できる」といった内容は間違った、もしくは正確ではないことをお断りしておきたい。

今回のラッキートリガー規定に関しては、全体として見ると射幸性がアップするものでは全くない。加えて、ライトミドルや甘デジといった確率帯で搭載が規制されるものでもない。前提として「総量規制6,400個未満」という大枠部分は変更されていない点を鑑みて、今回のものはあくまで「新しい楽しみ方を現行の射幸性の範囲内で追加する」ものであるとお考えいただきたい。

さて、ぱちんこ遊技機の新機能「ラッキートリガー」は、昨年夏頃に日工組内規が改正されて新たに定められた機能だ。この時、実は同時に他にも内規が改正されている。一つはいわゆる「一発台系」と呼ばれる、うまい棒に代表されるセット物の総量規制。こちらについては「おかわり性能がないもの」については最大10,500個未満までの緩和がなされた。

そしてもう一つがこの「ラッキートリガー」であり、日工組表記では「LT」と称されているものだ。こちらホールへの納品は2024年3月1日以降とされており、既に昨年9月27日には、コナミアミューズメントからラッキートリガー対応機 「ぱちんこGI優駿倶楽部2 ラッキートリガーver」が型式試験において適合通知を受けた旨を知らせるプレスリリースが出ている。他にも藤商事の「P緋弾のアリア~緋緋神降臨~LT搭載FSZ」やサミー「P北斗の拳 強敵LT」、サンセイR&D「P LT OVERLORD 魔導王降臨」、大一商会「P天才バカボン7~福神スペック~」、豊丸産業「Pこの素晴らしい世界に祝福を!」などが続々と検定通過している。

今年は3月3日が日曜日なので3日納品・4日開店が最速となるため、早ければ新機能「ラッキートリガー」搭載機は3月4日からホールで打てることになりそうだ。

2. ラッキートリガーとは?
では「ラッキートリガー」とは何か。文字通り「ラッキー」は「幸運」、「トリガー」は「引き金」が転じて「きっかけ」という意味で使用されることから「幸運のきっかけ」と解釈される。カジノでいう「ジャックポット」のような意味合いだ。そして今回の改正は一言でいえば、今も設置されている遊技機に搭載されている「上位RUSH」状態を強化しても良い、というもの。具体的には、この「上位RUSH」状態について期待値「6,400個」を超え「9,600個未満」まで認める、と改正された。この部分を「LT(ラッキートリガー)」と表記し追記している。

LT(ラッキートリガー)の内容

・上位RUSH突入時の期待値を6,400個を超えて払い出し個数で9,600個未満までOK

では「やはり射幸性がUPするのでは?」と勘違いしてしまいがちだが、実はそう簡単ではない。

3 .ラッキートリガー搭載の条件
この「ラッキートリガー」を搭載するには、大きく3つの条件が課せられている。その内容については以下の通りだ。

LT(ラッキートリガー)搭載の条件

① 獲得遊技球数の期待値を3,200個未満にすること(初回含む)
②LT到達率×LT期待値(初回除く)を、総獲得遊技球数の期待値(初回含む)の1/2以下にすること
② Cタイムを搭載しないこと

この条件について一つずつ解説していきたい。まずは①について。これは「RUSH突入・非突入など全ての初当たりを含めた全平均期待出玉を3,200個未満にする」という意味だ。ただし「RUSH時の期待出玉:6,400個未満」という部分については今までの内規と全く変更はない。

つまりラッキートリガーを搭載すれば「上位RUSH突入時の性能を9,600個未満ギリギリまでアップ」すること自体は可能である一方で、これを搭載するには今までの「RUSH時の期待出玉:6,400個未満」に加えて「初当たりからの全平均期待出玉:3,200個未満」という部分についても条件を満たさなければならない。この点が「射幸性はアップしない」と解釈できる点だ。また現行ミドルタイプが「RUSH期待出玉:ほぼ6,400個」で「初当たりからの全平均期待出玉:5,000個前後」の機械が中心であることを考えると、全平均出玉3,200個未満では、ミドル帯だと若干確率が重い。この点が、ライトミドル、甘デジが中心になると想定される部分である。ただし確率帯により搭載できる縛り自体はない。

次に②部分。仮にLT突入時の期待出玉を9,600個、初当たりからの平均期待出玉を3,200個、と設定した場合、LT突入率は1/6(約16.7%)まで下げる必要があることがわかる。ただしこれは「上位RUSHに突入する大当たり割合が1/6」ではない。「初当たりを100回体験したら、うち1/6(16回)は上位RUSHへ突入する」という意味だ。したがって、見た目の振り分けよりは到達率は割合が上がってしまう。例えば5%しかLT突入大当たりがなくても、通常RUSH中に平均3連チャンするとすれば、この5%を3回チャレンジすることになるためだ。

したがって、ヘソ初当たりから「LT突入の可能性」がある機種は最もLT大当たりの割合が低くなる。逆に初当たりの50%がRUSH非突入の機種であれば、性能にもよるが特図2で20%程度のLT大当たりをとっても1/6に収まる可能性はある。「特図2で20%=初当たりで10%」となるためだ。

最後に③だが、ラッキートリガーに関しては「P機」でも「e機(スマパチ)」でも搭載可能だが、スマパチに搭載する場合は、ラッキートリガーを搭載するなら「Cタイム」は搭載することができない。

4. ラッキートリガー搭載機のモデルスペック
では具体的な「ラッキートリガー」搭載機はどんなイメージの機種になるか。大きくは3つのパターンが考えられる。

LT(ラッキートリガー)搭載機のモデルスペック

① 甘デジタイプ(例:大海5アグネスの上位RUSHを9,000個にしたもの)
③ ライトミドルタイプ(ジャギの逆襲に上位RUSHを追加したもの)
④ 一見「100%突入ハイミドル」に見えるもの

まずは①から。こちらは現在ホールに設置されている上位RUSH搭載機の三洋物産「PA大海物語5 With アグネス・ラム」を元に考えてみたい。こちらで言えば、上位RUSH突入時の時短回数を現行の「110回」から「290回」へ増やすことにより、上位RUSH突入時の期待出玉を約9,000個まで増やすことができる。ただし単純に増やすと甘くて回せないため、大当たり確率を1/99.9から1/128.0に下げて、さらに遊タイムを無くす程度で、ラッキートリガー搭載条件を全てクリアすることが可能だ。

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次に②だが、今も根強い人気を誇るサミー「P真・北斗無双 第3章 ジャギの逆襲」を元に考えてみたい。現行スペックを見てみると、ヘソの65%は300個、35%はRUSH突入で総計約9,700個となっており、「初当たりからの全平均期待出玉」は「約3,590個」と3,200個をオーバーしてしまっている。したがってRUSH突入率をまずは30%へ下げてみると「初当たりからの全平均期待出玉:約3,120個」となり条件①はクリアする。あとは通常RUSH性能を下げてLTを入れ込む作業だが、結果として特図2の振り分けで「LT突入大当たり35%」あたりまでは現実的に可能だろう。30%×35%は10.5%だ。ただし、右打ちで1回大当たりした以降の期待出玉を「LT突入可能性も含めて6,400個未満」にする必要性は変わっておらず、LTに突入しなかった場合の通常RUSH性能部分は、わりと厳しいものになる。

LT突入率を高くしてLTを多くの人に体験してもらうか、またはある程度は通常RUSHだけでも十分に楽しめる内容にしてLTは「ジャックポット」的なものにするか。非常に悩ましい点だろう。

最後に③だが、これは簡単に言えば、「大当たりのうち半分程度を大当たりに見せない」やり方だ。京楽産業.「ぱちんこアズールレーン」や藤商事「Pシンデレラブレイド」のような小出玉の大当たりを用意して、液晶上では「数字揃い」もしない見せ方にする。こうすることで、例えば実際の仕様は1/199.9の台であっても、大当たりの半分は数字が揃わず出玉もほとんどないため、結果としてファンからは「大当たり確率1/399でRUSH突入率100%の台」に見える。実際に藤商事「P緋弾のアリア~緋緋神降臨~LT搭載FSZ」やサンセイR&D「P LT OVERLORD 魔導王降臨」あたりは、これに近い仕様だとの話も漏れ伝わってくる(2023年12月現在)。

ただし、大切な点はひとつ。「1/399でLT突入で9,600個」と聞くと一見「射幸性がUPした」と感じがちだが、実際には現行ミドルと比較すると射幸性は低い、という点だ。現行ミドルは実際にRUSH突入する確率が1/450~1/640あたりだ。また、右打ちRUSH時の期待出玉という点では「6,400個未満」とLT搭載機にも今までと変化はない。あくまで一時的・部分的に「期待値9,600個ZONE」に入る可能性がある、という新たな楽しみ方が追加された、とご理解いただきたい。

今年3月以降、ラッキートリガー搭載機が続々と登場する。これら機種の一つでも多くが人気を博し、ホールが活性化することを願いたい。本年もよろしくお願いします。

■プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。

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