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【コラム】「我慢比べ」の中の、努力の方向について(WEB版)/チャーリー・ロドリゲス・湯谷

投稿日:2023年11月8日 更新日:

1. 社会の景況感は悪化の一途
社会は物流業界の2024年問題、超高齢化社会を迎える2025年問題と、間もなく大きな産業転換を迫られる年度に差し掛かります。パチンコ業界のみならず、全ての事業にイノベーションが求められており、待ったなしの状態にあります。

残念ながら、今後数年で飛躍的な業績回復は期待できませんし、むしろ現状維持・停滞・下降していく目算が非常に高く、それでも「利益が出る、経営体質」を企業は作っていかねばなりません。特にパチンコ店でいえば、固定費である「遊技機購入費」「人件費」「支払家賃」の影響は大きく、今後コストダウン含めての見直しを行い、損益分岐点売上高を下げていく必要があります。

「遊技機購入費」は、ある意味、他店に負けないようにと、一部のメーカーとの取引履歴を厚くして、人気機種を大量購入してきた動きがありました。しかし、その「付き合い」で購入した機種の営業成績が非常に悪く、機械購入費用も償却できない機種が増え、また転売による中古市場で「差益」を狙う方法も成績は芳しくないようです。以前のように「入替自体が集客を生む」ということは少なくなり、むしろ常連客の「飽きの回避策としての入替」に目的が変容しているように思います。遊技機入替の「投資対効果」は、既に期待以上のケースは少なく、経営へのコスト負担が重くなっており、遊技機購入等、その「聖域」も関係なくドラスティックな改革が求められています。

2. 「目的」と「手段」を間違えないこと
そもそも新台入替の「目的」はなんでしょうか? 多くのお客様に新台を打ってもらい、遊技を通じてパチンコ・スロットの楽しさ・面白さ・非日常を体感し、その後も何度もお店に足を運んでもらう、ということではないでしょうか。ところが、新台入替の供給スピードが高まり、機歴販売が常態化する時代になると、入替は「利益を取るための電子抽選機」のような扱いで、その運用も遊技から「ただのギャンブル」機となっています。リピートしてくれる「体験の提供」もできないまま、何とか機械代を償却できるまで徹底的に利益優先で運用する店舗が増えていて、ユーザーはリピートしたいと思うどころか、逆に、ますます離反している状態、というわけです。

あくまで、入替という投資の目的はユーザー満足度を高めて、リピートを促進することであり、利益を取ることが目的ではありません。手段です。この「目的」と「手段」を間違えると、前述した通り利益優先が機種運用方法にも表れ、それがお客様にも伝わるというわけです。遊技機入替は盛んに行われていても、毎日1,000円12回~13回程度のパチンコ運用や、ずっと設定1のスロット運用ではお客様が離れることは必然です。

ある意味、入替による集客実現の「過去の成功体験」に縛られ、無理をしても新台入替をしないと集客できない、と考えるホールはまだ多いのではないでしょうか。勇気をもって「買わない」選択をし、集客は入替に依存し過ぎない方法を考える必要があるのではないでしょうか。

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