【寄稿】ぱちんこの今後(WEB版)/POKKA吉田

遊技機の良し悪しは実際には10日で結論が出るはずもなく、長期稼働するかどうかは、長期間営業データが良い、ということが前提である。ただ、私はかなり長い間、スマート遊技機推進の論説をずっと発信してきたし、昨年はフォーラムにも登壇させていただいている。スマスロが初日からヴヴヴの話題で盛り上がったときも、スマスロ北斗が導入直後から大盛況だったときも純粋に喜んだ。そしてスマパチの大注目機だった仕置人が失敗に終わったときは純粋に残念だった。

6.5号機とスマスロが昨年登場し、ともに実績を積み上げて今はパチスロがホールの収益構造の中心となっている。一方、ぱちんこは規制強化ではなくむしろスマートも含めて緩和されているにもかかわらず市場が低迷しているのが現状だ。だからスマパチが打開してくれる、加えてP機もRe:ゼロや咆哮を超えるものがいくつも登場する、そういう市場推移によってPSどちらも良い市場にトレンド転換していく、というのが私の想定する良いシナリオである。そのシナリオの第一弾として注目されたのが仕置人。仕置人が失敗し、その第二弾として注目されたのがガンダムSEED。SEEDが失敗したことから、第三弾の、ぱちんこ市場の低迷からの脱却を担う旗手として注目されたのが、再び京楽からSAOということになったわけだ。

SAOの導入前までのスマパチの最高評価は慶次。慶次という機種そのものに何の罪もないが、これが最高評価だとスマパチ需要の喚起にはつながらない。SAOの結果や10月の新海物語の結果がいかに重要かは説明は不要であろう。

本誌が発行される頃にSAOの結論が業界で共有されているかもしれない。少なくとも初動10日のデータとしては、良いのは結論としてもいい。これがいつまで続くか、という話であるが、今回は京楽の販促のセンスもかなり向上しているというのが私見。また、SAOというぱちんこの演出等の作り方は従来の京楽にはなかったゲーム性思想のようにも思う。なにより、いろんな成功機種に共通していることだと思うが、企画開発設計におけるコンテンツ愛がはっきりと見えている。例えばエヴァシリーズ、まどマギシリーズ、北斗シリーズ、慶次シリーズ、牙狼シリーズ、ルパンシリーズ、と挙げればキリがないが、開発企画の担当者が「このコンテンツは嫌だ」と思って作られたようなものが人気となるわけがない。今、名前を出したものすべてにおいて、私は作り手側のコンテンツ愛を顕著に感じるものである。

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