パチンコ、パチスロ業界ニュース

『遊技日本』

【特別寄稿】パチンコ産業の歴史⑯ CRバブル終焉の苦境を救ったパチスロ4号機の躍進(WEB版)/鈴木政博

投稿日:2023年7月17日 更新日:

2. パチスロ機人気が加速!!
さらにパチスロには追い風が吹く。日電協は1996年10月15日、自主規制対応機案として「Bタイプ(JACゲーム2回)にチャレンジタイム(CT)を付加する」という内容を発表。1998年2月25日に幕張メッセで行われた「パチンコ産業フェア」にて、サミー製「ウルトラマン倶楽部3」とネット製「クロスCT」が発表された。ちなみに日電協が定めた当時のCT機スペックはこのような内容だ(別表1)。

CTの基本スペック

CT機は、当初「目押しがうまい人しか打てない」という機種もあったが、各社がCT中は左リールにのみ、見やすい図柄を狙ってコインを増やせたり、また一定枚数に達するとCTが終了しないよう左リールのみハズして現状維持を狙いボーナス当選を待つなど、そこまで目押しがうまくなくても簡単に遊技出来る機種を続々と発表し、それらは大ヒット。特にサミー製「ウルトラマン倶楽部3」とエレクトロコインジャパン製「アステカ」は絶大な人気を誇った。

しかし、このCT機は当初の「自主規制対応機としてマイルドなCTタイプを普及させる」 という狙いに反し、ホールでは今までのパチスロでは考えられなかった「1万枚オーバー」という高い射幸性が人気を集めることとなる。さらには同1998年4月1日から遊技機基準が変更され、今まで以上にジャンルは多様化していく。しかしこのパチスロ業界にとって未体験のこの追い風が、最終的には5号機規制へと行きつく発端となることに、業界はまだ気付いていなかった。

サミー製「ウルトラマン倶楽部3」

サミー製「ウルトラマン倶楽部3」

エレクトロコインジャパン製「アステカ」

エレクトロコインジャパン製「アステカ」

(以下、次号)

■プロフィール
鈴木 政博
≪株式会社 遊技産業研究所 代表取締役≫立命館大学卒業後、ホール経営企業の管理部、コンサル会社へ経て2002年㈱遊技産業研究所に入社。遊技機の新機種情報収集及び分析、遊技機の開発コンサルの他、TV出演・雑誌連載など多数。

-コラム
-, ,

Copyright© 『遊技日本』 , 2024 All Rights Reserved.