メーカーに対しては、この状況下、甘すぎる台はやっぱり無理だと思う。尖らせたいのは当然だし、辛くしても結局シメられるから、とはよく聞く「言い訳」ですが、危機感のあるホールも増えている中、回そうムーブを先導することは可能なはずです。メイン機種が、エヴァやリゼロが千円20回で使えるスペックでドーンと出たら……。いやコトはそんな単純ではないけれど、じわりじわりでも回せる方向性に向かわないと、ホールもプレイヤーも耐えられない。ゲーム性をぶち壊さないと使えないような製品は、普通に考えて欠陥品ではないのでしょうか。
もうひとつ、遊技機価格と販売方法に関して。捨て身の爆弾をぶん投げるホールでも現れない限りは、現状のままメーカーもホールも優勝劣敗が加速される流れは止まらないように思います。プレイヤーには手も足も出せない分野だけに、どうこうどうしろとは何ひとつ申し上げられないし、最終的には売る側と買う側で決めることではありますが、資金を提供するのは我々だということ、忘れないでいただきたいですね。
回さない、回せないのは、どっちかではなくどっちも悪い。この後に及んでの睨み合い、なすりつけ合いは、騒ぐだけで解決しない旧来の業界像そのものです。そしていつものように、「ユーザー不在」を嘆くだけ……。本物のギャンブルであるはずのポーカーや公営競技の方が、はるかに手軽に、そしてコスパ高く遊べる状況を異常だと思ってほしい。
大﨑一万発
パチプロ→『パチンコ必勝ガイド』編集長を経て、現在はフリーのパチンコライター。多数のパチンコメディアに携わるほか、パチンコ関連のアドバイザー、プランナーとしても活動中。