【コラム】死にかけのライバル店舗に振り回された話(後編)。/CRAナカムラ

●CRAナカムラのぱちんこ泰然自若274
はい皆様、まずはご報告です。このコラムにも幾度となく登場していました愛犬ラオウが17歳の天寿を全う致しました。最後の方はもう目も耳も不自由で、ヨタヨタと壁にぶつかりつつ頑張ってたんですけどね、ついにお迎えが来てしまいました…が、まぁラオウはその名の通り「我が生涯に一片の悔いなし」だったと信じて、残された側は前を向いていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。

さてさて、今週は続きものですので…このまま本題に入りましょうそうしましょう。

もう潰れるカウントダウンに入ったと思われたライバル店だったが、急にヤル気を出して新台CRインディージョーンズとCRマイケル・ジャクソンの2機種を半列ずつ導入する。かなーり微妙な選定センスだが、今まで中古しか入らなかったのに思い切ったもんだ感心したのも束の間、翌月の新台入れ替えはさらに最新台を1ボックス!しかもある意味超話題のアイツ!盤面右側に金色の着物を着た松平健フィギュア(デキはDAISOレベル)が鎮座するだけじゃなく…なんとコイツが音楽に合わせて腰を振るのである!その姿の不気味さったらもう、奥村のCRバジリスクの朧フィギュアが登場するまではパチンコ史上歴代No.1ホラー作品であった。

そんな伝説的機種の名は…CRマツケンサンバ2!時代劇テイスト機種の中でも異彩しか放たず、初見のインパクトに全振りした迷機中の名機!これをドーンと32台!先月のインディージョーンズとマイケル・ジャクソンと合わせ、気が狂ったとしか思えない新台ラッシュを魅せるライバル店。

相変わらず遊びに来てくれるスタッフに話を聞いても、

(死・ω・)マジ意味わからんス。

だそうだ。

当然その店にマツケンサンバ32台を埋める力などなく、アッという間に寂れていくのだが…マツケン登場から2週間ほど経って、自店の早番終わりで

( ゚Д゚)マツケン打ちに行くかぁー

と思い立ち、フラ〜っとその店に行ってみると…

( ゚Д゚)ん?閉まってる?

定休日なんてない地域だし、なんかトラブルか?と勘ぐりながら駐車場を一周してみるが、明らかに営業はしてなくて貼り紙もない。

( ゚Д゚)むぅ…

とりあえず車を降りてブラインドの隙間から店内を覗くと、

( ゚Д゚)マツケンがおらんがなっ!

そう、マツケンが居た1ボックス丸々、ついでにインディージョーンズもマイケル・ジャクソンも、ポッカリと抜けてベニヤも何も無しの状態。

事態が飲み込めないまま、その日は別の店でパチンコして自店に戻ったのだが、夜の集計の時に社長に電話してライバル店のこの動きを報告すると…

(社^_^)「あぁ聞いとるよ、夜逃げらしいな」

夜逃げ!?マジか!

(社^_^)「支払いを販社に押し付けて、新台を売り逃げしたらしい」

本来は販社経由で新台を買っても、手形の支払いが終わらない限りはメーカーから書類が出ないので売買契約できないが、何らかの事情で販社が一括で支払いを済ませ、ホールは販社に月賦で支払う形になっていたらしい。

今でこそ複雑になっている中古機売買だが、当時はメーカーから書類が出れば今日外した台が翌日から違うホールで稼働させる事が可能だったのだ。

つづく

■プロフィール
CRAナカムラ
奈良・愛知・岐阜・広島で店長職を10年歴任。その後、大阪の某チェーン店で統括営業本部長職を経て独立。常に打ち手目線を持ちつつ…と言えば聞こえはいいが、この男自身パチンコするのが三度のメシより好きという重症患者。

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