【寄稿】スマート遊技機ばかりになる未来像(WEB版)/POKKA吉田

総需要に応じるだけの供給があるかどうかは、半導体等の調達の問題とはまた別次元の話になるかと思う。現在はありがたいことに昨年10月の途中頃から調達難は改善されてきたが、それは「ホールの今の総需要にすべて対応できる供給環境にあるということではない」ことに留意が必要である。

たとえばCR機の普及に大貢献した花満開。何台販売されたか。あるいはその他名機と呼ばれたCR機群がそれぞれ何台販売されていたか。そしてそれは何年続いていたか。それを考えると、スマスロで最大でも数万レベルの台数となっている現状では、とてもじゃないが一年やそこらで供給は追い付かないだろう。しかも今年は春にスマパチの導入も予定されている。ユニットだけで考えても、あるいは遊技機だけで考えても、供給の視点からはこの条件を満たすのはとても難しいということはわかる。

しかも、供給は総需要よりも「もっと全然多くされている」ことも前提だ。現在、新台を購入することが難しい店舗もまだまだ残っている。購入することは可能でも事業として許される設備投資額の幅も法人・店によって異なっているし、設備も遊技機も優良法人であっても中古市場が機能していた方がありがたい。中古市場が市場成立の前提になると考えれば、総需要「程度の供給」では足りないわけだ。どれくらい多ければいいかはわからないが、ざっくり300万台市場で300万台分ではかなり厳しいと言える。

設置台数市場をシュリンクさせていけば話は別だが、スマート遊技機は専門店の登場も視野に入る。少台数ならセキュリティの面は対応しなければならいが下手したらワンオペ営業もあり得るとすれば、設置台数市場は昨年と同様にシュリンクしていくとは限らない。むしろ、10万台レベルの大ヒット機が登場すれば、減少してきた設置台数が増加に転じる可能性すら一応は残していると思う。となれば、供給の問題は調達改善「程度」では完全スマート遊技機市場成立は難しいのではないか。

となれば単純に「かなりの期間を要する」ということになるかと思う。それは1~2年程度ではないだろうというのが今の私の予想だ。

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