アジア最大規模の国際ゲーミングエキジビションとして知られる「G2Eアジア」が今年はシンガポールで開催されることが明らかとなった。公式サイト掲載の情報によれば、会場は日本での知名度も高い統合型リゾート「マリーナベイサンズ」で、日程は8月24~26日となっている。
G2Eアジアは、米国ラスベガスで開催されている「G2E」のアジア版として、2007年にアメリカゲーミング協会とリード・エグジビションズの共催でスタートしたもので、2019年まで13年連続マカオで開催されてきた。しかしながら、新型コロナの影響が生じた2020年と2021年については2年連続で開催が見合わせとなっており、長いブランクが生じている。
主催側は両年ともマカオでの開催を模索してきたが、コロナ禍における世界規模での渡航制限とロジスティックの混乱により断念せざるを得なかったようだ。
ワクチンの普及や経口治療薬の登場によって、最近では渡航制限を緩和する動きも見受けられ、ウィズコロナ政策に転換する国・地域もどんどん出てきている。ゼロコロナ政策を堅持するマカオでは、現時点でも厳格な水際措置が維持されたままで、緩和の見通しも示されておらず、中国本土以外との相互往来が事実上困難な状況に変わりはない。一方、シンガポールはすでにウィズコロナ政策に転換し、入国時の隔離検疫も不要とあって、海外との往来が容易となっている。マカオに次ぐ規模のカジノ売上を誇り、開催都市としての格も申し分なく、ブランクを埋めたい主催者がマカオからシンガポールへ開催場所をシフトする決断を下したのも頷ける。
マカオがラスベガスを抜いて世界最大のカジノ都市となった(売上ベース)のは、偶然にもG2Eアジアがスタートした年にあたる。G2Eアジアには業界をリードするサプライヤーが多数出展するほか、業界キーパーソンによる旬のトピックに関する講演及びパネルディスカッションがプログラムされるのも特色で、業界の最新トレンド情報と人材が集うハブとしての機能を果たしてきた。マカオにとって、カジノ売上世界一だけではなく、情報・人材ハブとしての存在感でも世界へアピールできていたことは間違いないだろう。