1. 衝撃が走った、平和のリストラ
先日、業界にショッキングなニュースが舞い込んできました。遊技機メーカーで上場企業の平和が250名の希望退職者を募り、役員報酬のカットや営業所の閉鎖・統合等のリストラ策が発表されました。人員整理は遊技機関係の業務にあたる人員の約3割削減であり、現在の苦しい状況が伺えます。また、平和としては「二回目」のリストラという事で、パチンコ業界全体の先行き不安と同時に、その経営の難しさを物語っているようにも感じたところです。改めて、業界の再編は加速度的に進み、今後はよりハッキリと「成長企業」と「そうでない企業」に二分される事でしょう。それが到来する日はそう遠くないと思います。
2. 本当の「厳しい競争」はここから!
「旧基準機の完全撤去」により「厳しい競争」がいよいよ始まります。未だ景況感は悪化、コロナ感染は長引き、経済損失・失業者も増加しています。加えて、低賃金・高物価の「スタグフレーション(景気が後退しているのに、高物価が同時進行する現象)」状態は継続、消費は慎重になり投資意欲はなくなり、さらに節約志向へと続く事が予想されます。娯楽産業であるパチンコ業界においては逆風であり、現在、ユーザーの中心層である「ヘビーユーザー層」の奪い合いが始まるという事で、入替・出玉合戦は社会の流れとは逆に激しくなることも想定しておかねばなりません。
特に大手法人で、資金的余裕があり「1000台規模の大型店」では、一気に顧客を奪う事が出来るチャンスかも知れませんね。一定のシェアを奪取すれば、それは大きなアドバンテージで、その後の運営や収益確保の面で優位に立てるからです。
一方、中小ホールの目線から考えればとても「規模や資金面」で対抗する事は出来ないので、大型店とは異なるコンセプトを持って業態を変えて運営しないと、ますますお客様が離反する事は容易に予想出来ます。また従来と変わらず、大型店と変わらず「新台入替を行う以外に特段お店の特徴を出さないところ」は残念ながら淘汰されていくと思いますし、より経営が厳しくなるでしょう。
以上の事は、既に「当たり前」の事であり承知されていると想像しますが「では、どうする?」と具体策を考える時、結局「遊技機か?出玉還元か?」という点にばかり焦点があてられ、問題の根本原因まで届かないケースが多いです。それは「お店はどんなターゲットに対して、どんな形で価値提供していくのか?」といったコンセプトが不明瞭であるため、力が分散するケースが多いからと推測します。もう一度このタイミングで、しっかりと会社やお店の方向性を議論していくべきだと思います。