【寄稿】パチンコはリスクか（WEB版）／大﨑一万発

パチンコ屋に来といて手堅くとか言われましても……と我々世代は半笑いにしますが、不確実性に塗れた現代社会においては、再現性ある必勝法を伴うパチンコ・パチスロは、訳のわからんバイトよりよっぽどリスクの低い仕事なのでしょう。いや将来性が、とか小言を垂れようにも、（ことパチ屋に出入りするような属性の若者には）未来に希望など持てる世相ではないわけで、だったらきっちり取れるパチンコの方が手堅いし、そう打つ以上は夢とかロマンとか時代遅れの感傷など無用。結果、呑気に（あるいは無自覚に）負けてくれるのはオッサンオバハン、爺婆ばかりとなり……嗚呼、考えたくもありませんね。

もちろん異星人に見える若者だってただの自分勝手ではありませんから、金銭面以外の見返りがあればちゃんとお代は支払ってくれるはず。財布の紐は堅いけど、価値を認めればブッ込んでくれるのもまた若者世代です。当然ながら遊技である以上は「面白い」がウリにならなければいけませんが、その面白いの意味合いは、我々世代の考えるそれとはまるっきり違っているかもしれないのです。玉の動きガー、釘師との勝負ガー、と、己の価値観の中にある面白いをアピールしてきた僕ですが、知らんわからんと一蹴される時代が到来しているとしたら……。想像するだに恐ろしいことですが、でもそれしかできないから、徒労かもしれない、旧来の価値観の押し付けかもしれない主張を繰り返しているわけです。

無能なオッサンにはヘビーな時代となりましたが、こんなパチンコにしてしまったのはまごうことなき我々世代。自分なりに責任は取っていかなきゃとは思っているのです（若い読者の方、ありがた迷惑だったらご一報を）。