この手の台を打つと毎度ながら感じていたのは、そこまでシメる必要あるのかな?ってこと。一般的なデジパチを千円スタート10回転も回さないような運用は普通あり得ませんが、役モノ機ではむしろそのレベルが常態化している。いやもうちょっとアケてくれたら、ボーダーライン下回ると分かってても追うのにと悲しくなる運用が本当に多いわけです。ところがPうまい棒は、こと若いお客さんが反応したおかげなのか、甘く使ってみようと考えたホールが少なからずあったようで、「いつもと違う?」をひしひしと感じています。
パチスロの先が見通せない今、特に若いプレイヤーをパチンコへ誘導したいと考えているホール様は少なくないと思います。人気機種を甘く使い、また特日はしっかりメンテナンスを施すホールも増え、パチンコの状況は確かに良くなっていると実感しています。しかしそこでもう一歩、役モノ機にも気配りしてほしいわけです。以前も本稿で触れましたけど、役モノ機のゲーム性、玉の動きの楽しさは、パチンコ以外では体験できないオンリーワンのエンターテインメント。Pうまい棒は、役モノ機に馴染みのない若い層やパチスロプレイヤーをパチンコに「ハメてくれる」力のある台に思います。役モノ系でパチンコが好きになると、他に代わりがないわけですからこれは長い付き合いになります。そういうお客さんを育成できる大きなチャンス、ではないでしょうか。
甘く使ってくださるホール様は、そのままでぜひ踏ん張ってほしい。地獄メンテのホール様は、役モノ系は「貯金箱」との常識を捨ててほしい。パチンコでしか楽しめない体験をもっと打ち出していきましょうよ。10年先も打ってくれるお客さんを増やすために。
大﨑一万発
パチプロ→『パチンコ必勝ガイド』編集長を経て、現在はフリーのパチンコライター。多数のパチンコメディアに携わるほか、パチンコ関連のアドバイザー、プランナーとしても活動中。オンラインサロン『パチンコ未来ラボ』主宰。