【寄稿】CM解禁(WEB版)/POKKA吉田

昨年、源さん韋駄天が中古相場で暴騰しても台数を用意するのに時間を要したのか、この10万台レベルの販売台数は約1年間をかけて達成したもの。「昔はもっと売れた大ヒット機があった」というのはちと早計だ。昨年度の日工組の証紙枚数は92万ほどである。うち10万台が源さん韋駄天なのだから昨年度の新台販売に占める源さん韋駄天の割合は10%を超えている。年間200~300万台のぱちんこ新台が販売されていた時代から10万台という数字は大ヒットの目安である。年間100万台に満たない今の時代に10万台なのだからものすごいヒットであることは間違いない。

この源さん韋駄天、昨年は当たり前だがテレビCMはない。今回、解禁となって源さん韋駄天(及びライトも含めて)のCMが出ている。これは既に主流機になってきている源さん韋駄天の稼働支援だったり新台としてのライトのニード喚起だったりする効果を期待できるわけだが、どうしてもこう思ってしまう。「昨年、仮にCMが解禁されていたら、源さん韋駄天は10万台レベルで止まっていたのだろうか」と。部材などの都合もあるだろうから実際の販売台数は同じだったかもしれないが、客の支持がより強くなっていなかっただろうか。今も十分に新規則機では主力機の営業成績であるが、これがさらに良かったら、と思うこともあるのだ。

CM自粛がなかった時代、テレビCMの考査は厳しいものだった。たとえば「遊技球が板面を動いている映像」「メダルを投入してレバーを叩く映像」を当時のテレビCMで観た人はいないはずである。いろんな理由があるわけだがCMそのものは好き勝手に遊技機メーカーが作れるものではない。考査上の制約があってそれをクリアしたものが流れるのである。それは今回も同じ。ご時世がご時世だから(コロナ禍もあればポリコレとかいろいろ)その制約は当時よりも今の方が厳しいはずである。地上波がWEBに喰われてもうかなりの年月が経過しておりテレビ業界は凋落業界となりつつあるからCMを打つ値段も安くなっているはずだが、制約は普通にある。

そんな制約を上手くクリエイターのセンスで乗り越えて、昨年春から初夏にかけての源さん韋駄天くらいの市場評価を得られる機種のテレビCMがテレビでガンガン流れているとしたらどうだろう。源さん韋駄天はその瞬発力が魅力だが、今年も瞬発力の高い新機種はいくらもある。そのゲーム性も先行導入前の下馬評よりははるかに高く評価されているが、ゲーム性の評価が高い機種は毎年いくらも出てきている。

今後、そういう源さん韋駄天クラスの市場評価を見込める機種のCMが増えてホールの営業成績も良くなる、ということはあり得ると思う。それはぱちんこにおいてはかなり重要なのではないだろうか。

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