4月から遊技機のテレビCMが解禁されている。本来ならゴールデンウィーク商戦を見据えて往年の大量のCMを目にするかと期待していたが、コロナ禍が続き緊急事態宣言も出ていたこともあってまだ少しおとなしい印象だ。それでも数機種、CMを観る機会が増えてきた。
テレビCMについて全く自主規制をしていなかった2007年から8年くらいまではものすごい数のCMが確認できていた。2008年に18禁である遊技について子どもが観ることができるのは問題等の指摘が相次いで2009年4月から朝と夜(それぞれ5時から9時、17時から21時)のCM自粛を日工組が決めたときからCMは自粛対象である。そして東日本大震災、全面自粛となっていく。なので今回のCM解禁は12年ぶりのことである。
私はCMが自由だったとき、基本的にはCM規制肯定派だった。それは大量販売+先行導入という販売方法が主流になりつつあって当該機種のCM出稿がたくさんになり導入を見送った店が常連客から「なぜあの機種を入れない」という突き上げを喰らうケースが増えていたからだ。客のニーズに沿って新機種導入することは悪いことではないし、CMがニード喚起をしてくれているのはむしろ喜ばしいことではある。ただし、この販売方法は優勝劣敗を極端に加速させる恐れがあったし、遊技機販売価格高騰の原因だと思っていた。だから「CM規制するべき」くらいには思っていたわけである。
しかし、CM規制だったこの12年間を振り返ると、CMの有無と遊技機販売価格高騰とは関係がほとんどなかったように思われる。要するにCMを規制しても販売価格は値上がりを続けたし枠や板のクオリティ向上が進めば販売価格だけでなく遊技機の重さまでずっと上昇していたわけだ。
どうせ値上がりするのなら、むしろ主力機として導入するべき新機種のときに当該メーカーがCMでガンガン客のニード喚起に努めてくれる方が良いに決まっている。このため、何年か前くらいからCM解禁すべし、という論に私は宗旨替えしている。だから今回のCM解禁にはかなり期待したい。
ゴールデンウィーク商戦は、業界レートで「宣言地域であっても対策をしっかり実施しながら要請に応じず営業を続ける」ということで昨年のような0業績とはなっていない。しかし、宣言地域の場合は店外の広告宣伝について自粛というのも業界レートになっていたわけであり、遊技機メーカーとしてもなかなか10数年前のような大量のCM出稿とはならなかったようだ。また、4月から5月の商戦で最も注目を集めていた新機種の牙狼が延期となったことも大きいだろう。本稿は西日本では牙狼が導入され東日本では導入前夜のタイミングで書いているので私もまだ打ってはいないが、やはり遅れたとはいえ期待の機種である。これが遅れずに4月にCMを散見されるような状況になっていたらゴールデンウィーク商戦はまた違ったものになっただろうとは思うが、ひとまずは牙狼も無事導入されて一安心ではある。
個人的に注目したのは源さん韋駄天である。源さん韋駄天は昨年度間違いなく最も売れたぱちんこ新機種だ。その台数の詳細は知らないが10万台に届いたかどうかというレベルまでなっているという。