パチンコビレッジは12月16日、都内台東区のターミナルホテルにて、2024年のパチンコ・パチスロ販売台数などのデータを集計した「パチンコ・パチスロ販売実績2024」を発表した。
2024年のパチンコ販売台数は785,000台で前年比81%、パチスロは721,000台の同96%で微減した。本データは同社が独自に調査したもので、すべての集計は納品日をベースとしている。また、メーカーは子会社等を含めたグループで集計し、端数は500台単位で集計している。発表会では2024年のデータのほか、2025年の販売実績予想も発表した。
■2024年パチンコ・パチスロ販売台数
パチンコは2012年以降で初めて800,000台を下回る結果に。パチスロにおいてはスマスロ導入以降、徐々に設置シェアを広げていたが、適合率の低さもあり、前年に比べ微減という結果となった。また、パチンコとパチスロの合算台数1,506,000台は、2012年以降では2020年のコロナ禍での1,357,000台に次ぐ低い台数となっている。
■2024年パチンコ機種別トップ10
第1位は「e北斗の拳10」(銀座)で35,500台、2位は「Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン 再来-白き一角獣と黒き獅子-」(SANKYO)で25,000台、3位は「eフィーバーからくりサーカス2 魔王ver.」(ジェイビー)で24,000台という結果に。
上位10機種のうち3機種がスマパチで、夏以降のスマパチ緩和により導入が促進されたといえる。1位の機種を前年と比較してみると、2023年が「Pフィーバー機動戦士ガンダムSEED」で50,000台に対し、2024年は35,500台と大幅に減少しており、パチンコ市場の厳しさを感じ取れる結果となった。なお、シリーズ別に見た場合、SANKYOグループの「フィーバー機動戦士ガンダムユニコーン 再来-」シリーズもスマパチを合わせると同台数で1位となっている。

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■2024年パチスロ機種別トップ10
1位となったのは30,000台で「押忍!番長4」(大都技研)。2位は28,000台の「Re:ゼロから始める異世界生活 season2」(パオン・ディーピー)で大都グループが1、2位に。3位は「スマスロ ゴッドイーター リザレクション」(セブンリーグ)で24,000台という結果に。
2024年は上位10機種すべてがスマスロで、順調にシェアを拡大したことで定着していることが分かる。
また、特徴的なのは5位の「スマスロモンキーターンV」と10位の「パチスロ からくりサーカス」。両機種は前年に導入開始となった機種の増産台数であり、累計で前者は約37,000台、後者は約33,000台とヒット機種に成長。「良ければ増産」という流れの象徴ともいえる結果となった。

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■スマート遊技機の状況
パチンコは前年比で適合率は若干上がっており、2024年は前年よりも多い145機種が販売された。785,000台のうちスマパチは175,000台で、前年と比較すると割合は増え、約22%に。導入時期を見てみると、175,000台のうち154,000台は7月以降の機種で、これはスマパチの緩和策に加え「北斗の拳」「花の慶次」といった人気コンテンツが登場したことが大きい。また、スマパチに関して消極的だったSANKYOグループが本格的に販売を開始したことも大きく、2025年からシェア争いとともに普及に向け動きだす可能性が高いと指摘した。
一方パチスロも、前年よりも多い91機種が販売。721,000台のうちスマスロは615,000台となり、約85%を占めた。詳細を見ていくと、2024年に販売したうちの約120,000台は増産による販売で、さらにそのうちの約74,000台は昨年販売となった機種となっている。今後、大量導入の機種は減り、前述した「スマスロモンキーターンV」や「パチスロ からくりサーカス」のように導入後の稼働が良く、長期スパンで増産していける機種がヒット機種となる可能性が高いとまとめた。
■2025年の販売実績予想
この他、2025年の販売実績予想を語った村岡裕之代表取締役は、2025年の期待要素として「LT機・スマパチの普及」「パチスロ『BT機』の導入開始」を挙げながらも、「前年よりも適合率が向上すれば、パチンコとパチスロの販売台数が逆転するのではないか。年間を通して100法人ほどのホール関係者と会ったがパチンコに期待する言葉を聞くことはなかった。緩和されたLT機が果たしてユーザーに支持されるものなのか、悪ければ2025年は60万台くらいまで落ち込むかもれしない」とパチンコ市場への危機感を示した。
※数値はすべてパチンコビレッジ調査数値