一般社団法人余暇環境整備推進協議会(余暇進/佐藤正夫代表理事・会長)は11月26日、ホテルルポール麹町およびオンラインにて、令和6年度秋季セミナーを開催した。約160名が参加した今回の秋季セミナーでは、兼松泰課長補佐による講話や田中和徳衆議院議員の講演が行われた。また、「パチンコの再興」と題した共通テーマの下、第一部として三洋物産の金沢全求会長による講演、第二部は遊技機メーカー企業の理事によるパネルディションを実施。金沢会長の講演ではパチンコ遊技機の変遷から見る業界史と今後のパチンコの在り方に対する想いが語られ、ディスカッションでは直近1年間のパチンコ遊技機開発に関するトレンドや遊技機メーカー各社が取り組むファン獲得策や稼働支援のためのプロモーションについて紹介があった。
開会にあたり挨拶した佐藤会長は、遊技参加人口の回復が業界の命題となっている点に触れ、「ファンの支持・ファンの増加があってこそ遊技産業の発展につながる。新規ファン、とりわけ20代の若者層をいかに取り込んでいくのか、遊技産業に携わるひとりひとりが、ファンの獲得に向けて出来ることを意識し、日々の事業に取り組まれることを期待している」と語った。
この後、兼松課長補佐による講話が行われた。続いて第一部講演として三洋物産の金沢会長が登壇。前半は同社への入社以来48年間にわたる自身の歩みとパチンコ遊技機の変遷や思い出話があった。後半はパチンコが抱える課題について、現状はゲーム性や射幸性といった点においてヘビープレイヤーをターゲット層としたものが多く、狭く偏りがあること、パチンコがファンを増やして来た時代には射幸性だけでなく、羽根物や権利物などを含め多様なゲーム性が存在していたことを指摘。業界は利己的な競争に囚われずホールとメーカーが一丸となって多様性のある遊技機を開発できるよう要望を行い、そうした遊技機がホールへ導入されるべく業界全体が取り組めるよう、強力なリーダーの下で実現させて欲しい、といった話が行われた。
第二部のパネルディスカッションでは同会理事で遊技機メーカー企業の4名が登壇。昨年規格が発表された「ラッキートリガー」を搭載した機種が今年前半から逐次登場したことから、現在までの市場評価やファンの反応について個別の機種を取り上げながら話が進められた。また、大当たり抽選を行うスタート入賞口に関する考え方や機種数は少ないもののデカヘソと言われる大口入賞口といった機構部分へのアプローチも進化が見られたと報告があった。この他、遊技機メーカー各社ではパチンコ機の開発以外でも直接ファン向けのプロモーションを実施し、ファン獲得や稼働支援のための接点を求める活動を展開しているとの話が行われた。
最後に遊技産業議員連盟会長の田中和徳衆議院議員が講演を行い、直近の同議連会議における遊技産業が抱える各種課題に対し、国会議員としての見解と取り組みの状況を伝えつつ遊技産業全体へエールを送った。
閉会の挨拶を述べた金海基泰常務理事は、「パチンコの復興というテーマに対して非常に有意義な話が語られた。もう少し聞きたかったが、時間の制約があり残念にも思う。来期はより深く議論ができるよう秋季セミナー以外にもこのような機会を設けていければと考えている。引き続きご参画いただけるようお願いしたい」と話した。