静岡県遊協は6月6日、静岡市駿河区のホテルグランヒルズ静岡にて第63回通常総会を開催。組合員196名中135名が出席し(委任状を含む)、議案審議では全5議案が上程され全て承認された。任期満了に伴う役員改選では冨田直樹理事長が再選を果たした。
総会に先立ち行われた寄付金贈呈および感謝状贈呈式では、県教育委員会、県暴力追放運動推進センター、県防犯協会連合会の3団体に対し、同組合から計500万円を贈呈。また、この支援に対して鈴木康友県知事から感謝状が贈られた。
冨田理事長は総会冒頭の挨拶で、ここ3年間において全国的なホール数減少、コロナ禍から足が遠のいてしまったパチンコ・パチスロファン人口の回復には至っていない現状に触れながら、「昨年度はパチンコ・パチスロ依存問題への対応を業界全体の最優先課題として取り組み、自己申告・家族申告プログラムの導入促進、子どもの車内放置事案防止対策の強化などを継続して実施してきた。今年度においても引き続きパチンコ・パチスロ依存問題への対応を運営方針の大きな柱の一つとし、適切な広告宣伝を元にパチンコ・パチスロファンの回復拡大を図り、積極的な社会貢献活動を推進することが業界の発展と県民の信頼確保になると考えている。2024年問題への対応、新紙幣への改刷などを始めとした諸問題を抱える中、ホールの経営環境はますます厳しくなるが、一致団結して業界の発展と社会的責任を果たす支援と協力をお願いしたい」と組合員に向けて理解と協力を呼びかけた。
来賓挨拶では静岡県警察本部の水嶋春彦生活安全部長が登壇。「昨年、県内の刑法犯認知件数は21年ぶりに増加に転じたほか、匿名の通信手段を持つ特殊詐欺、サイバー犯罪といった深刻な状況が続いているところ。加えて、SNS型投資・ロマンス詐欺が全国的に急増しており、速報値ではあるが県内の被害額は今年に入って11億円を超えているという危機的な状況となっている。県警察では、こうした治安情勢を踏まえて、新年度からまた新たな体制で捜査・抑止に全力を尽くしている」と現況を説明しながら、「遊技業界としては近年のデジタル化の急激な進展、物価高騰などの影響を受けて課題が山積だと思うが、引き続き県民が安心して遊技できる健全で質の高いサービスを提供いただきたい」と要請した。
議案審議では令和5年度事業報告承認の件、令和6年度運営方針(案)承認の件など全5議案が上程され、全て拍手により承認。第3号議案の任期満了に伴う役員改選では冨田理事長の続投が決定したほか、副理事長に田中司陽氏、監事に戸谷真氏が新たに選任された。冨田理事長は「今、業界に厳しい向かい風が吹いているが、一生懸命務めさせていただく」と所信を表明した。