日遊協は4月17日、都内中央区の本部会議室にて「パチスロプレイヤー調査2023」報告会を開催。エンタテインメントビジネス総合研究所の藤田宏代表取締役が概要を説明した。
調査結果によると、2023年のパチスロ参加人口は約682万人で昨年比約10万人の減少となった。年代別では「40代」の参加人口が前年比26万人増加、頻度別では「週1回以上」の参加人口が約36万人増加しており、スマスロの本格的な導入に加え、ヒット機の登場による影響が大きかったと推察した。一方、「10代・20代」「30代」は2019年から合計で100万人以上減少しており、若年層における新規流入の少なさと離脱の多さは深刻な問題と指摘した。以前よりも遊ぶ回数が減った要因については、遊技機要因では「勝ちにくい」が最も高く、続いて「お金がかかる」「おもしろい機種がない」の順で高かった。
休止者層の深堀分析では、パチスロをやめた当時の不満点として「使用金額の多さ」が8割以上と最も高く、また「1回のボーナス獲得枚数」への不満は、特に休止歴1~3年未満の層は突出して高い傾向が見られた。
トピック調査では、スマスロの遊技動向について主要な10機種を対象に継続調査した。スマスロが本格的に導入され、ヒット機が出たことで「遊技経験」「継続意向率」ともに前年を大幅に上回っており、中でも若年層ほど遊技経験の割合が高かった。スマスロで遊ぶ際の期待と評価について調査すると、経験者は未経験者よりも遊技環境や操作性など全ての項目で肯定的な回答割合が高く、経験者には一定の評価を得られており、中でもスマスロの有利区間ゲーム数上限のないゲームシステムは若年層を中心に評価された。
一撃の差玉上限2,400枚の納得度調査では、「納得できる」よりも「納得できない」の割合が依然として高く、納得できない理由を深堀りしていくと「大量獲得のイメージがわかない」「上限に達すると、上乗せしたAT・ARTが消化できない」と回答した割合が8割前後となり、現状の差玉上限に不満のある層が一定数いることが分かる。
また、6号機ノーマルタイプの遊技経験は8割以上と遊技者に浸透してきたが、その一方で、ビッグボーナスに期待する獲得枚数では300枚以上必要と回答した割合が合計で7割弱となり、現在の獲得枚数に対して不満があることが読み取れる。藤田社長は「6号機ノーマルタイプに不満を抱えている遊技者が、来年以降に離脱予備軍として増えないようにする必要がある。過去のデータからも不満が改善されなければ休止に繋がる傾向が強いため、この対応は業界の大きな課題」と懸念した。
調査は、全国の18歳~79歳の男女を対象にインターネットリサーチにより、2024年1月4日~9日に事前調査と本調査を実施。有効回答数は事前調査が10,000サンプル、本調査で現行プレイヤー層1,456サンプル、休止者層471サンプルだった。