安田屋(東京都板橋区、山下信浩代表取締役社長)のやすだ柏店と柏市は9月5日、災害時等における施設並びに設備の使用に関する協定の締結調印式を柏市役所で実施した。災害時等にやすだ柏店に設置されている蓄電池を基にしたコンセントを市への電力供給として使用するほか、店舗敷地内の立体駐車場を市民への一時的な避難場所として提供する。
今回の電力支援は、災害時に同店の太陽光発電による電力を市役所に供給し、市役所から市民に供給するというもの。市役所が同店の市役所専用のコンセントから充電器などを充電して、それを各避難場所に供給する。同店の蓄電池は、スマートフォン換算で約1万台相当(一般的なスマートフォン1台3,500mAhにて試算)で、同時に太陽光パネルによる充電も可能。長期停電にも対応した仕様となっている。また、同店の立体駐車場は約300台収容。平面駐車場を含めると全体で約700台収容でき、災害時は主に立体駐車場を提供する。
調印式には、安田屋から山下代表取締役社長と吉田豊施設設計管理部課長が、柏市からは太田和美市長、國井潔危機管理部部長、石原祐一郎危機管理部防災安全課課長が出席した。太田市長は、「災害時において、尊い命や財産を守るために避難できる場所が一つでも増えるということはとても大切なことだと思います。また、災害時に停電が発生した場合に対応を行う我々行政においても電力確保が非常に大きな課題になっていますので、この度の蓄電池による電力支援を受けられるということは大変大きな助けになります。御社の貴重な営業施設や設備を災害時に使用させていただくことは、柏市民の安全安心にも大変大きく寄与するものだと思います」と協定締結を歓迎した。
同社は東日本大震災を教訓に社内に災害対策室を設置して、災害訓練や備蓄品など、もしもの時の備えに努めてきた。やすだ店舗と自治体との防災協定は今回の千葉県柏市のほかに、やすだ八潮店と埼玉県八潮市で締結しており、埼玉、神奈川の店舗(戸田店、大和店)でも災害時における一時避難場所など各地域と防災協定を締結している。