【コラム】少し早めですが「お盆の頃に思い出すほっこり話」／CRAナカムラ

●CRAナカムラのぱちんこ泰然自若295
はい皆様ご機嫌麗しゅうっ！7月中旬を過ぎまして、絶好調最高潮で激暑の日々を皆様いかがお過ごしでしょうか。

ゴールデンウィーク以来打ちに行けていないのはまだ継続中で、とりあえずお盆が終わるまではスケジュールがパンッパンなので…そこまでは禁断症状との戦いでございます。ま、お盆が明けてもすぐ行けるとは限りませんが。

さてさて、今週はそんなお盆にまつわるちょっと良い話をさせてもらいましょうそうしましょう。

初めて店長になった関西のホールで、主力機種が1/369の初代大海物語だった頃…毎日必ず昼前にやってきて、初代大海かスーパー海ハワイに並んで座って、勝っても負けても夕方まで仲睦まじく遊んで帰る老夫婦の常連がおりました。

店の近くのマンションのオーナーをされていて、金銭的な余裕があるのも大きいのだろうが、魚達に一喜一憂しつつも…ほんと楽しそうに過ごしている姿は、スタッフ達の間でも昔のチャーミーグリーンのCMと並ぶ「理想の老夫婦モデル」として微笑ましく見守っていたある日…お爺さんだけで来店して、

(爺・ω・`)「いやー、婆さんがちょっと入院になってなー」

と言っていたが、そこからしばらくお爺さんだけでの来店が続き、1ヶ月もしないうちにお爺さんも来なくなった。

他の常連さん達とも仲がよかったので、みんな本気で心配していたのが真冬の頃だった。

田舎のコミュニティなので、春前に「お婆さんが亡くなった」という話は聞いたのだが、特にこちらからアクションを起こす事もなく時が過ぎる。

そして迎えたその年の夏、それはお婆さんの初盆にあたる。約半年ぶりにお爺さんが里帰り中の息子さんと共に現れ、店長と話がしたいという事で呼び出される。お婆さんが存命中は非常にお世話になったことのお礼と、今日に限って少し無理を聞いてもらいたいという話をされ、二つ返事でOK！

3台並んで空き台があった初代大海を押さえ、息子さん・空き台・お爺さんの順で座る。真ん中の空き台のイスにお婆さんの遺影を台に向かわせて置き、上皿に玉を流し込む。息子さんはあまり打ち慣れてないようで、玉があっち行ったりこっち行ったりしているが、お爺さんは余裕綽々で玉を弾く。とまぁ、ここまではどこの店でもそれくらい許可するのだろうが、ボクがOKした内容は「自動打ち出し」なのだ。出ても交換無効でいいからと頼まれのだが、

( ﾟДﾟ)出たらちゃんと交換するまでがパチンコでしょーよ！

って事でハンドルの下側をガムテープで固定して、試し打ち用のアースを目立たないように装着。大海は右打ちがないので、もうこれで当たっても自動的消化できるのだ。

自動で玉が飛ぶ大海、イスに置かれたにっこり笑うお婆さんの遺影。かなりカオスではあるが、常連さん達もすぐに状況を理解して集まってきて、台のまわりにはいつもお婆さんが飲んでいた甘いコーヒーが何本も積まれていく。見てるだけで泣きそうになる。

お爺さんはお婆さんの台の投資もやっていたので、慌ただしく打っていたが…なんと息子さんの台ですぐに魚群が流れてエビが揃って確変突入！お爺さんがすぐに1箱をお婆さんの台に移動させ、これで一安心。息子さんはワケが分からない様子だが、嬉しそうなのは見てとれた。

お爺さんはまたいつでも来れる反面、お婆さんはこれが最後のパチンコになるであろう状況で、やはり何とかお婆さんの台で1回くらい当たって欲しいところ。遺影は在りし日の「勝っても負けてもいつものニコニコ顔」である。

息子さんの確変は4連チャンで終わり、お婆さん2箱・息子さん2箱・お爺さん現金投資中。別にウチは時間縛りにするつもりもないし、好きなだけやって欲しい。警察が突付いてきても、こんな人情話に文句は言わせない。

それから程なくして、お爺さんが単発を引き…お婆さんが1箱を打ち切って足元から1箱上げた頃、その時が来る。魚群とかで盛り上がれば最高なのだが、なんとノーマルビタ止まりでアンコウ。何はともあれ大当たりだ。まるでお婆さんがそこに座ってるかのように箱を交換して、遺影に一礼するナカムラ。ここで3人の涙腺崩壊。泣き笑いで「ありがとう」と言ってくれたお爺さんの顔を見て涙腺ダム決壊。

それで大満足なのだ。

パチンコって、こういう役割もあるんだよ。

程なくして残った出玉を交換して息子さんとお爺さんは帰っていき、その後のお爺さんは毎日ではなくなったが、週2〜3でまた通ってくれるようになった。

こういうのが許されるのが、本来のパチンコの立ち位置だと思うんだけど、今じゃあSNSとかに晒されて炎上するのかなぁ…

昔のお盆に起こった、ほっこりするお話でございました。