岐阜県遊協は5月25日、岐阜市の岐阜グランドホテルにて第62期通常総会を開催。当日は先だってMIRAIぱちんこ産業連盟の新代表理事に就任し兼務が難しくなった金光淳用氏が副理事長に、理事長は新たに清水達浩氏が選任されたことも報告。議会では2022年度事業報告や2023年度事業計画書をはじめ全9議案が原案通り可決承認された。
冒頭、新理事長に就任した清水達浩氏は「本年3月に理事長を拝命しました。この3年半、私たちは新型コロナにより未曾有の困難に直面した。現状を踏まえ、遊技業界の未来を考えることが求められている。若年層の遊技人口の減少については、新しいゲーム形式やオンラインプラットフォームの活用など、新たなアプローチで魅力的な要素を提供する必要がある。ギャンブル依存症問題については、予防策の提言はもちろん、パチンコ・パチスロが健全な娯楽である、という事実の啓蒙活動も重要だ。また地域社会の役割としても、エネルギー効率の改善や、廃棄物の適切な処理など持続可能な遊技業界の実現も求められる。岐阜県内57法人、105店舗とともにより良い明日を切り開いていきたい」と意気込みを語った。
続く来賓祝辞では岐阜県警察本部の葛飾孝彦生活安全部長が登壇し「新型コロナも第5類に引き下げられた。生活スタイルも元に戻ろうとしている。業界ではスマートパチスロ、スマートパチンコが導入され明るい話題も出始めている。広告宣伝についても昨年末に警察庁から通達が発出され、一定程度業界に委ねられることとなった。皆様には引き続きぱちんこへの、のめり込み依存症対策、撤去済み遊技機の廃棄処理問題など営業の健全化に向けて協力をお願いしたい」と述べた。
議事では2022年度事業報告として新型コロナウイルス感染症への適切な対応やパチンコ・パチスロ依存問題への対応、積極的な社会貢献活動などが報告され、続いて2023年度事業計画書も承認。その他全9議案が原案通り可決承認された。役員補充選任では、3人が辞任したため現在10名であるところ、新たに1名が理事に選任され計11名となった。
総会終了後には岐阜県警察本部生活安全総務課の松岡孝至課長補佐により「健全営業について」と題した講話が行われた。松岡孝至課長補佐は「お話したいことは3点。1点目は岐阜県の犯罪情勢について。パチンコ業界において最も多いのはICカードなどの盗難、置き引きなど窃盗犯。犯罪の未然防止のため来店客への声かけ、警察への協力要請などをお願いしたい。2点目はぱちんこ営業に関する事件や行政処分。岐阜県内では近年、法令違反の事件取り扱いは発生していないが、昨年、従業員名簿での行政処分はあった。全国では遊技機の釘曲げによる無承認変更事案が複数発生している。釘学校なるものの存在も報じられた。釘は調整目的で触ってはいけないことは言うまでもない。随時立入検査もしているので、釘シートを活用して検定時の状態を維持していただきたい。3点目は広告及び宣伝の取り扱いについて。昨年末、警察庁から通達が発出された。趣旨は2点。1つは地域差を可能な限り解消すること。業界団体からの質問状へ警察庁から回答書が示されたが、そこでは違法性の判断に余地があるものの具体例が削除されたり、広告宣伝規制の違反とならない具体例が示された。しかしこれは緩和ではなく、実質的には平成24年以前の運用と変更はない。違反とならない具体例を使用していても、広告全体の内容次第では違反に該当しうることをご理解いただきたい。そしてもう1つは広告宣伝の健全化について一定程度、業界団体による自主的な取り組みに委ねられたこと。業界団体からガイドラインが示されている。組合としては、ガイドライン違反が疑われる広告宣伝情報の収集に努めていただき、該当事例があれば是正勧告など業界団体の自主的な健全化の取り組みをお願いしたい。県内営業所は10年前の219軒から昨年末は121軒と半減している。たいへんな現状ではあるが、違法行為に手を染めてはならない。集客を狙っての射幸心をそそる宣伝広告も慎んでいただきたい」と語った。