パチンコ業界に特化したマーケティングリサーチ会社のシーズリサーチ(東京都台東区)は1月23日、「2022年ぱちんこ営業所の閉店状況」の調査レポートを公開した。レポートによると、2022年に閉店(休業含む)したパチンコ店は854店舗となり、1年間で1割以上のパチンコ店が閉店した。
エリア別で最も店舗数の割合が減少したのは関東で昨年比88.8%。次いで近畿エリア、中部エリアの順となっている。閉店店舗数の割合が最も低いエリアは、四国エリア、九州・沖縄エリアで昨年比91.3%となった。都道府県別では閉店店舗数の割合が最も高かったのは山口県で昨年比82.3%。次いで群馬県が86.2%、長崎県が86.4%。沖縄県は昨年比98.6%で閉店店舗数の割合が最も低い県となった。
設置台数規模別でみると、101台~300台設置の中小型店舗の閉店が464件と最多。一方で1,000台以上設置している大型店舗は、昨年比99.4%とあまり閉店店舗数の増加は見られなかった。同社は、「中小型店舗では、コロナ禍での遊技客減少だけでなく、旧基準機等の撤去問題やスマスロの設備投資の負担なども、閉店や休業の判断材料になった」と分析。店舗形態別ではパチスロ専門店の閉店が増加しており、「パチスロだけでの店舗運営が難しい状況になっている」としている。
法人別では、最も閉店が多かったのはアンダーツリー、次いでガイアとなった。ただしアンダーツリーは中小規模の店舗を中心に20店舗以上閉店したが、1,000台規模の大型店を複数出店しており、企業としての勢いは衰えていない。またガイアはM&Aによる売却や閉店を繰り返す中で、店舗数が減少傾向にあるが、100店舗台をキープした。ダイナム・マルハンは店舗数でみると小幅な減少にとどまり、ダイナムはグループで全国に400店舗以上、マルハンも300店舗以上と店舗数を維持しており、ダイナム・マルハンの二強体制は依然として健在であるとしている。
レポートでは今後の動向について、「2023年はスマートパチンコの導入も予定されているが、スマートパチスロと同様に設備投資への負担も懸念されており、投資リスクも含め先行きが分からない状況は続くだろう。今年1月の閉店店舗数は前年を下回っているが、店舗数の減少から考えると100~300台規模のパチンコ店を抱える中小企業では引き続き厳しい状況が続くことが予想される」と厳しい見通しを示した。