大阪府遊協は6月3日、大阪市天王寺区のシェラトン都ホテルにて令和3年度通常総代会を開催した。令和3年度事業報告並びに収支決算等承認、令和4年度事業計画並びに収支予算決定、組合定款の一部変更、役員(理事)の補充選任の件など4議案を審議し、いずれも原案通り承認可決した。
事業報告によれば、令和4年3月末現在の組合店舗数は前年比60店舗減の467店舗で、遊技機設置台数は同比1万7,156台減の21万2,403台。事業計画では、ホールにおける新型コロナウイルスの感染防止の徹底を図りつつ、「新型コロナウイルス感染症への適切な対応」「パチンコ・パチスロ依存問題への対応」「安定したホール経営の確立」「ファンの回復・拡大」「積極的な社会貢献活動」を基本方針とし、依存問題に向けた諸施策の推進など10項目を継続的重点推進事項に盛り込んだ。
総会には、来賓として大阪府警察本部生活安全部の奈良澤光昭部長、辰谷裕司保安課長、丸山忠彦保安課長補佐が臨席。祝辞を述べた奈良澤部長は、大遊協が取り組む犯罪撲滅のための広報啓発活動や青色防犯パトロール車両の寄贈といった社会貢献活動に対して謝意を述べるとともに、「使用済み旧規則機の適性な廃棄」「法令遵守と適正営業」「依存のめり込み防止対策」の3点について言及。
このうちパチンコへの依存防止対策については「ホールを訪れる大多数のお客様はパチンコやスロットの遊技を娯楽として健全に楽しまれているわけだが、パチンコ営業は射幸性を有しているが故に遊技が過度にわたりのめり込んでしまう事で、本人や家族の日常生活や社会生活に支障を生じるだけでなく、多重債務や犯罪等の重大な社会問題を生じさせるなど負の側面を有しているということを事実として受け止めなければならない」と述べ、これらの解決手段として自己申告プログラムや各申告プログラムの積極的な導入や、リカバリーサポート・ネットワークの相談体制の強化、安全パチンコ・パチスロアドバイザーによる依存防止対策の強化など各種対策の推進に期待を寄せた。
続いて挨拶に立った平川容志理事長は、最重要課題として取り組む依存問題対策などについて報告しながらも、「社会の多様化に伴いパチンコの遊技人口が減少しており、加えてコロナ禍の影響も受けて府下のパチンコ店舗数も大幅に減少している。私共を取り巻く経営環境は非常に厳しいが、大遊協はホール営業者としてファンに親しまれる大衆娯楽を維持・継続するとともに、法令を遵守し健全営業を堅持せねばならない」と述べ、組合活動への理解と協力を呼び掛けた。
さらに平川容志理事長は懇親会の席上で、大阪市議会が25日に可決したパチンコ・パチスロ等をギャンブルに位置付けるとした意見書に言及。市議会での決議内容を強く非難し、市議会議長に対し陳情書を送った旨を伝えた。