全日遊連は11月17日、都内港区の第一ホテル東京にて全国理事会並びに記者会見を開催。貯玉補償上限の引き下げを貯玉補償基金へ提案することを承認した他、遊技機の大型化に関する検討会の開催結果やホール従業員の騒音障害防止対策、遊技機保管状況調査結果などを報告した。
理事会では、椿喜一郎氏(東京・副理事長)参与の承認(補充)、新参与の所属委員会、貯玉補償上限の引き下げについて等を決議。貯玉補償上限の引き下げについては、今現在、会員一人当りの貯玉・貯メダル口座の補償上限がパチンコ玉25万個、メダル5万枚と設定している現状に対し、依存問題への対応としてそれらの上限値を引き下げるよう貯玉補償基金へ提案することを承認した。具体的な上限額は貯玉補償基金側で協議していく方針。
会見では、遊技機の大型化に関する検討会の状況について、日工組が行ったアンケート結果に基づいた全日遊連の意見を提出しているとして、阿部恭久理事長は「画一的なスペックになりやすい遊技機に対し、他と差別化するために大型化が進んだともいえる。そういった意味でも機械のバリエーションが増えスペックの変更ができるようになれば状況は変わるだろう。ホール側としては労働環境や運送費も大きな課題だが、SDGsの観点からも部品の使い方や回収の仕方も議論していきたい」と述べ、協議状況を報告した。
従業員の騒音障害防止対策では、厚労省が今年に入り「騒音障害防止のためのガイドライン」の見直しを進めていることを受け、85dB以上となる可能性のある職場としてホールが対象業種に含まれる可能性も出てきたことから、音量調整の課題についてエビデンスに基づきながらメーカーと議論していくとした。
全日遊連が実施した遊技機保管状況調査では、本年8月末時点で、検定・認定切れの遊技機が約33万台保管されていることが分かった(回答率82.3%)。
この他、新規則機の設置比率状況を問われた阿部理事長は、設置期限の延長は否定しつつも「現状としては6号機だとファンも付かないし商売にもならない部分もある。ホールに外してと言っても入れるものがないという状況で、それなりの仕事をしてくれる機械が出てきているとは言い切れない」として、機種の多様化を図ることが最優先事項であると述べるなどした。