パチンコ・パチスロのマーケティングを行うシーズリサーチはこのほど、「パチンコ市場の状況とWithコロナ時代の営業戦略」を公開した。長期化する恐れのあるコロナ禍を乗り切るために、パチンコ市場の状況や、今後、取り込むべきターゲット層とその層に支持されるコンテンツなどをデータから紐解く形でレポートにまとめた。
これによると、緊急事態宣言後は、年代の高い層ほど、来店・投資・遊技頻度の減少割合が高い傾向にある一方で、30代以下は新型コロナの影響を受けにくい客層であることが分かった。この1年間の遊技頻度では年代の高い層から低い層にかけて増加割合が高い傾向にあるほか、1年以内にパチンコを始めた新規者も30代以下が約75%を占めていた。また、一日あたりの平均投資金額を年代別でみると、投資金額が多いほど年代の若い層の割合が高く、3万円以上は30代以下が約52%と半数を占めた。
同社は、これら来店頻度・遊技頻度・投資金額などのデータから、「コロナ禍に強い客層は『30代以下の若年層』ということになり、コロナ禍において店舗で囲い込みを行うべき重要なターゲット客層である」と分析している。
また、30代以下の客層が好む機種は「アニメコンテンツ」が上位となり、なかでも若年層に人気の高いコンテンツがパチンコでも人気の高い機種となっている。スペックは、新基準機全体では「P大工の源さん超韋駄天」や「Pとある魔術の禁書目録」「P真・牙狼」など、人気のある高稼働機種は軒並み319スペックとなっており、ミドルタイプ(大当り確率1/319タイプ)が現在のトレンドであると言えるが、新基準機の満足度については、今回ターゲット客層と位置付けた30代以下ではミドルタイプよりライトミドルタイプの満足度が最も高く、意外にも出玉は少なくなるものの、確率が甘くなるほど満足度が高くなっている。
営業データからみると、4円パチンコは玉単価・玉粗利が一回目の緊急事態宣言後から上昇をみせており、「プレイヤーの視点からすると、この営業が続けば続くほど遊技環境は厳しい状況を招き、もともと減ってしまったプレイヤーに加え、さらに既存のプレイヤーまでもがパチンコ離れを引き起こす負のループが起こりかねない」と警鐘を鳴らしている。今後は、「ミドルタイプだけでなくライトミドルタイプ程度のスペック帯で、機種のヘビー化(機種のリピート)を狙い、ミドルタイプに近い機種で受け皿を作っていくことも必要となる。また、若年層に人気のアニメコンテンツは、コンテンツからパチンコを遊技する新規プレイヤーの獲得にも期待が持てる。確率が低いミドルタイプよりライトミドルタイプ程度のスペック帯の方が投資のハードルが低く、当たると楽しいという成功体験に加え、出玉感も体感しやすい。こういった状況だからこそ、遊技者の裾野を広げ、一人でも多くの新規プレイヤーを獲得することもこれまで以上に望まれる」と提言している。