業界誌『PiDEA』vol.179に「店長ならば打て!」なる特集記事が掲載されていました。サブタイトルは「よく打つ店長の店ほど面白い!」。PiDEA様はこういう専門職域外にもキャッチーな企画を扱ってくれるので、毎号楽しみに拝見しています。毎度お堅い記事ばかりの本誌にも見習っていただきたいところです(笑)。
さて肝心の記事内容は、ホール店長様に実遊技の重要性を説き、遊技頻度の高い店長の店ほど人気店ではないかとの推論を展開するもの。論旨はごもっともでありまして、ケチをつける部分など毛頭ありませんでしたが、読みながら僕は「そもそも」の部分に戦慄してしまったのです。すなわち店長に対しパチンコを打てと説く、その当たり前が業界誌の特集記事として成立している事実です。「いやいや店長、打ってないんかーい!」って話なんですね。
カーディーラー向けに「もっと車に乗りましょう」なんて呼びかけをするものでしょうか。あるいは飲食店に、他店のメニューを研究しましょうと説くものでしょうか。店長たるもの自店商品のエキスパートであって当然だし、競合店や顧客動向を常に研究している=ホール店長であれば、暇さえあれば打ちに行っているものだと信じていました。だから記事に対して読者の店長からは、当たり前すぎること言ってんじゃねぇ等の反感があるんじゃないかと思っていたのですが、意外にもSNSでは共感の反応が大きく、あぁ今のホール店長は打たない人も珍しくはないんだなぁと知ったわけです。
とはいえ、パチンコ好き店長の店がいい店かと言えば、それはイコールではない。逆に打たない店長でも、繁盛店づくりに成功している場合もあるでしょう。寝る暇もないような激務と日々戦っておられるのが店長職ですから、遊技頻度をどうこう言うつもりもありません。ただ、業界中核を担うホール店長が、激務を理由に打ちに行けない、また小遣いが不安で打てない店長も少なからずいるようですが、そもそもパチンコが好きでこの職に就き、率先して打ちたい・打つべき立場の人が、仕事や家庭の事情を理由に、遊技を二の次にせざるを得ない現状には、今の業界が抱える厳しすぎる現実を突きつけられた思いです。当の業界人がそんな状況において、一般遊技客にもっと打ってくれと言うのは無理がある。参加人口が減り続けているのも当然だと思ってしまうわけです。