エンタテインメントビジネス総合研究所とシーズはこほのど、両者が合同で実施した「パチンコ景気動向指数(DI)調査」の結果を公表した。
この調査はパチンコ経営企業を対象に、年4回実施しており、業界の短期的な景気動向を示すもので、今回の調査は2020年6月11日~6月26日にかけてファックス及びWEBアンケートにて実施。81社、123地域から回答があった。
報告書によると、収益や売上、粗利といった「全般的業況」は、▲93.5ポイント(前回比44.3悪化)で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う休業要請により過去最低となった。3カ月後も回復はするものの、▲65.9ポイントと依然として厳しい見通しとなっている。
「稼働状況」は、パチンコが▲94.3ポイント(前回比34.9悪化)、パチスロが▲77.7ポイント(前回比37.4悪化)となり、パチンコ・パチスロともに大幅な悪化。3カ月後は、パチンコ▲68.3ポイント、パチスロ▲59.0ポイントまで回復する見通しだが、コロナ前までの回復は見込んでいない。
「資本投資気運(遊技機)」は、このところプラス圏で推移していたものの、今回は▲76.5ポイント(前回比83.7悪化)と大幅に悪化した。3カ月後には▲64.2ポイントまで回復する見通しだが、引き続き厳しい状況が続くものと見られる。また、「資本投資気運(遊技機以外)」は、▲44.4ポイント(前回比49.2悪化)で、こちらもプラス圏から大幅に悪化、さらに3カ月後には▲53.1ポイントまで悪化する見通しとなった。
前回に引き続きトレッド・ウォッチのテーマは「新型コロナウイルスの影響と対策」。パチンコ店での新型コロナウイルス感染拡大の可能性について、3月と6月で比較したものでは、3月時点では6割以上の事業者で感染拡大の「可能性が高い(「やや高い」と「高い」の合計)と回答していたが、6月には2割まで低下。8割以上の事業者が感染拡大の「可能性が低い(「やや低い」と「低い」の合計)と回答している。現時点でパチンコ店のクラスター事例がないことから、感染拡大に対する懸念が低下したと考えられる。
今後の不安については、6月に最も高かったのは「顧客離れ」で90.1%(前回比4.4ポイント増)、2番目は「売上・粗利の維持」で88.9%(前回比5.6ポイント増)で、ともに3月から増加。次いで「スタッフの感染」「顧客の感染」「風評被害」の順で高かったが、「顧客離れ」と「売上・粗利の維持」以外の項目はいずれも3月より低下している。
緊急事態宣言後の営業の取り組みについては、経費削減の動きが顕著で、経費の中でも大きな割合を占める「遊技機購入費」はパチンコ・パチスロともに7割以上の事業者が減らすと回答している