緊急事態宣言が5月31日まで延長されることが決定したが、13の「特定警戒都道府県」以外では、近々にパチンコ店の営業が再開される自治体も多い。営業するにあたり、どのような点に留意すべきかについて各自治体で話し合いが進んでいる。
5月7日以降に営業を行うにあたり、国では指針を出した。「パチンコ店を含む遊技場」としては「マスクの着用」「2mを目安にした座席の間隔」「店内の音楽を最小限にして客どうしの会話が大声で行われていないか確認できる状態にする」の3条件で、これらが守られ「3つの密」が発生しにくいと判断される場合に限り、緩和や解除を検討できるとしている。
ただし、この国の指針はかなり現実的ではない。マスクの着用義務は従業員、遊技客の双方ともに可能だが、「2mを目安にした座席の間隔」については、パチンコ台のサイズは52cm程度。ユニット等の幅により各店で差はあるが、実際に2mの間隔を空けようとすれば、稼働台と稼働台の間は、最低でも3台は止めないと2m目安にならない。そうなると、設置台数の約4分の3は電源を落とすことになる。また「客どうしの会話が大声でないか確認できる状態」についても、店内BGMは絞れるが、遊技機自体の音量は客が自由に設定できるものが多数のため、やはりこれも現実的ではない。
佐賀県では、新たな方針を発表。「自粛要請から自制へ」「クラスターの発生阻止」「状況に応じ、臨機応変に対応」の3つだ。休業要請については「接客を伴う飲食店等」のみ5月20日まで行うが、それ以外は5月7日からの営業再開が認められることとなった。
パチンコ店については、佐賀県と県遊協が指針を合意。その内容は「出入り口を開放し換気」「各出入口に消毒液設置」「台間パーテーションもしくは2台に1台の間引き」「遊技台消毒」「マスク着用義務」「宣伝広告の自粛」の6つに加えて、組合からは「身分証確認のうえ県外客排除」を指導するという。
多くのパチンコ店再開地区において、「3つの密にならない」と「県外客の排除」の2つは要請される見込みだが、加えて「遊技台の間隔」なども今後、こうした「営業するための指針」の詳細が各県ごとに決定していくと考えられる。